遅ればせながら平山夢明先生の短編集「あむんぜん」を読んだ。
これが小説としてかつてなく素晴らしい腰砕け感を味合わせてくれる最高の短編集であった。
そんなわけでごく簡単にその内容と読んだ感想を紹介したい。
目次
「あむんぜん」を読んだ!
全体の感想
どの短編も導入からヤバめなムードむんむんである。
そして結果として想像を越えたヤバめな着地点に落っこちる話ばかりで、はっきり言って最高である。
まじでズコーっ!て感じなのだ。
個人的には表題作が特に好きである。
と言うことで、各話の印象を以下に記しておく。
Gangbang the Chimpanzee
ジンバチンイチさんがチンパンジーに執拗に掘られる話である。
そういうことである。
あむんぜん
脳がむき出し気味な少年の脳味噌を押すと不可解な現象が発現する、という話である。
そういうことである。
千々石ミゲルと殺し屋バイブ
借金まみれの女の子が「黄金」まみれにさせられかけ、その子を現場に送り迎えした青年がある行為に目覚め、超然とした存在になろうという話である。
まったくである…。
あんにゅい野郎のおぬるい壁
シャブ中が排出した液体からシャブを析出させないといけない話である。
そういうことである。
報恩捜査官夕鶴
ダメな刑事のもとに現れた、昔助けた鶴的な凄腕捜査官の捜査法が地球を救う!
そういうことである。
ヲタポリス
ヲタの計り知れないエネルギーの行く末やいかに!?
どうしようもないヲタが立ち直る話とも言える。
そういうことである。
まあそんな印象なのだ。
気になったら読むべし!
ちなみに平山先生としては、この短編集にある思いを込めたそうである。
その思いについては、以下のインタビューに詳しいので要チェックということになる。
併せて読みたいインタビュー 好書好日
参考
極限状態が生み出す、くだらなくて崇高な物語 鬼才・平山夢明さんの短編集「あむんぜん」好書好日
「あむんぜん」はどのような思いの元に書かれたものなのか、そんな平山先生の考えに迫ったインタビュー。
読み応えありなので要チェックである。
きっとこれを読んでおけば、「あむんぜん」に対してより全力でズコーッと行けるはず。
それにしても過去のものを紐解いても、平山先生はインタビュー毎回濃いので、気になった方は是非調べて読んでみていただきた。
おわりに
と言うことで平山夢明先生の「あむんぜん」を読んだ!と言う話であった。
他ではそうそう味わえない珍奇でしかしどうにも芯に迫るような強い物語の詰め込まれた短編集である。
是非気軽に手に取り、ぶったまげて欲しい。
そんな素晴らしい小説である。