加えて、都内のワンマンライブには2011年からほぼ欠かさず通っている筆者が、アルバムにおけるライブ定番曲も紹介する。
人間椅子の恐ろしくカッコ良い音楽に触れるきっかけになればと願ってやまない。
トリ
人間椅子を聴くべし vol.6 「怪談 そして死とエロス」円熟の集大成!
怪談-そして死とエロス-
- 恐怖の大王
- 芳一受難
- 菊花の数え唄
- 狼の黄昏
- 眠り男
- 黄泉がえりの街
- 雪女
- 三途の川
- 泥の雨
- 超能力があったなら
- 地獄の球宴
- マダム・エドワルダ
アルバムの特徴
オススメ中のオススメアルバムである!
2度のOzzfestJapan出演という大舞台を経て作られた19枚目のスタジオアルバムである。萬燈籠、無頼豊饒というヘヴィな路線の3部作(と筆者が勝手に思っているアルバム群)を締め括る傑作。
鈴木氏も「リフを何度も練り直した現時点での集大成」とファンクラブ会報にて語っている。
重く暗い響きの曲が多いわけだが、通して聴けばなんともキャッチーな作品であり非常に聴きやすいと言うのがわかるだろう。そんな訳で是非これから人間椅子の曲を知っていこうという人に手にとって頂きたい一枚と言える。
怪談 そして死とエロスの収録曲紹介
ライブ定番度の目安
★★★:かなり聴ける!必修。
★★☆:ちょいちょい聴く
★☆☆:レコ発以外で聴いてないかも
☆☆☆:公認のレア曲
01.恐怖の大王
ライブ定番度:★★☆
ポップな悪の象徴といえばダース・ベイダーである。この曲はその悪の象徴をイメージして作られたそうである。イントロもどことなくあのフレーズに似せられている。
ソロのスピード感がたまらん。そしてラストのカッコよさも白眉。
発表されているMVも必見である。
02.芳一受難
ライブ定番度:★★★
耳なし芳一を題材にした曲。これまたなかなか速くライブではかなり盛り上がる。演奏される頻度が高い。
また中間部のあまりにヘヴィな般若心経がかなりカッコ良い。是非ライブに臨むにあたって覚えて行くとよいだろう…!
筆者が大好きな一曲。
03.菊花の数え唄
ライブ定番度:★☆☆
構成やリフにどことなく針の山感があり良い。全力で和のテイストが滲み出るスピードチューン。
04.狼の黄昏
ライブ定番度:★☆☆
「月に吠えろ」のユニゾンが実に味わい深い。ウゴウゴとうねるベースのフレーズも良い。
皆で吠えたいものである。
05.眠り男
ライブ定番度:★☆☆
見世物とホラー映画を合わせたような世界観である。
イントロからドラマティックで聴かせる。
06.黄泉がえりの街
ライブ定番度:★☆☆
ヘヴィな迫力あるリフが印象的なリビングデッドな曲。中間部は死者が蠢き始める様子を表すようである。
07.雪女
ライブ定番度:★★☆
吹雪のようにつんざくリフと音程を大きく上下するメロディーが印象的。ソロは非常に派手でカッコ良い!
ライブでも比較的よく聴ける。真夏のフェスでも聴いた。
08.三途の川
ライブ定番度:★☆☆
どこか落ち着いた雰囲気を纏う不思議な曲。
筆者などはともすれば悠々と流れる日本っぽくない雄大な川をイメージしてしまうが三途の川なのだから大した問題ではない。ソロでもっていよいよあの世へと誘われるかのような展開が良い。
作曲した鈴木氏は和嶋氏の詞に対して「曲を昇華させた」と絶賛する。
09.泥の雨
ライブ定番度:★★☆
打ち付ける黒い雨のごときリフが実にカッコ良い。
かのアニメ「ニンジャスレイヤー」のエンディングテーマとして使用されたタイアップ曲であり、本アルバムにおいて一番初めに世に出た曲である。インタビューによれば、この曲がこのアルバムの方向を決める切っ掛けとして機能したようである。
現代の恐怖を仄めかす。
10.超能力があったなら
ライブ定番度:★★☆
ノブ氏ボーカル曲。やはりそのボーカルの性質上ストレートな詞になっている。
ライブ中に和嶋氏がよくウィンドミル奏法(腕をグルングルンして弾くやつ)っぽいことをやって楽しませる一面もある。
11.地獄の球宴
ライブ定番度:★★☆
鈴木氏お馴染みの地獄シリーズ!
生首悲惨すぎ! というくらいとんでもない目に合う生首の歌もとい地獄の歌である。野球っぽさが要所に顔を覗かせるのも楽しげ。和嶋氏の表現力を楽しめる曲でもある。
12.マダム・エドワルダ
ライブ定番度:☆☆☆
ラストを飾る大曲にして名曲。筆者は人間椅子の曲の中でもかなり気に入っている。
イントロのベースにかかるファズにグッと引き込まれる(和嶋氏の自作ファズとのこと)。
力強いリフ、寂しくも美しい変拍子のアルペジオ、様式美のソロと聴き処に溢れている。特に最後のソロはあまり集中して聴くと筆者などは泣きそうになる。
本当に残念なことに先日(2018/07/27)のファンクラブの集いにてレア曲認定を受けてしまった。
鈴木氏曰く、とにかく疲れるとのことである。人間椅子をもってしてもなかなか難しい上に長い(7:49)。ライブではなかなか聴けなくなってしまったようである。
まとめ
怪談 そして死とエロスは人間椅子の2016年時点での集大成とも呼べる傑作である!
怪談と言うタイトルから非常にキャッチーな題材の曲が多く、実際に聴いてみてやはり聴きやすい。それでいて超絶カッコ良いと言うのだからもう大変である。
是非通して聴いていただきたい一枚である。
いやはや、それにしても怪談 そして死とエロス、面白いものである。