観てからだいぶ間が空いてしまったが、人間椅子2022年晩夏のツアー「闇に蠢く」について、やはり書き記しておきたい。
トリ
そんなわけで以下セトリや感想などである。
『闇に蠢く』ツアーファイナルにて、レア曲の大波にのまれるの巻
示し合わせたようなお足元の悪さよ
この日は台風が列島に近づいており、もはやお決まりの人間椅子のライブ当日のお足元が悪い状態に、逆に心躍る筆者である。
しかしそんな天気でさえ、ファンは会場へ嬉々として足を運び、人間椅子は最高のライブをするのである。
末永くこの喜びに触れていたい今日このごろ。
セットリスト
- 新青年まえがき
- 鉄格子黙示録
- 侵略者
- 表徴の帝国
- 狂気山脈
- 時間からの影
- 菊人形の呪い
- 宇宙海賊
- ダンウィッチの怪
- 黒い太陽
- 無情のスキャット
- 蜘蛛の糸
- 地獄の料理人
- 天国に結ぶ恋
- 針の山
アンコール
- 宇宙からの色
- 地獄風景
ダブルアンコール
- どっとはらい
なんとも魅惑的なリストである。
強いて言えばラヴクラフトシリーズが詰まったリストではある。
ただそれにとどまらないセットリストであった。
本編のはなし
いきなり鉄格子黙示録スタートということで導入からたまらないものがある。
鉄格子黙示録〜侵略者の流れは鈴木氏曰く「組曲のよう」とのこと。
かの、和嶋氏がアブダクションされた経験を経て鉄格子黙示録が生み出された逸話になぞらえての話であり、なるほどと愉快になる。
表徴の帝国は怒涛の変拍子曲である。
MVも作られているが気づけばレア曲である。
そしてここで準備されるテルミンも期待が高まる要素だ。
ラヴクラフトシリーズの大作・狂気山脈が演奏される。
途中効果的に奏でられる怪しげな響きから、和嶋氏が着実にテルミンでの表現力を磨いていることを感じさせる。
相変わらず非常に長いソロもたまらない。
そしてこれまたラヴクラフト曲である時間からの影が続く。
そしてMCでのお祭りの話題から、次はねぷた曲かと見せかけ菊人形祭りから着想を得たという菊人形の呪いである。
祭りのことを知らなかったので、またひとつ人間椅子豆知識を得られた。
そしてこの曲も結構好きなので聴けて嬉しい限りである。
最新作からの宇宙海賊をはさみ会場が盛り上がるさなか、投下されるのは最凶のラヴクラフト曲(と筆者が感じている)ダンウィッチの怪である。
そんなわけですでにして大満足であった。
しかしライブはまだまだ中盤。
ヘヴィで退廃的な黒い太陽もこれまたかっこよい。
ここでMCにて、和嶋氏鈴木氏のレコードを介して知り合ったくだりから、改めて人間椅子のレコードが発売されることが告知された。
そして次なる曲は、もはや世界的大定番曲となっている無情のスキャットである。
哀愁あるイントロから怒涛のヘヴィプレイに揺さぶられる感覚がこれまた至福である。
ここでナカジマ氏によるMCとなり、つまりアニキボーカル曲である。
56歳を迎えるも、その前からずっと赤褌宣言を打ち立てたナカジマ氏が歌うのは、久しぶりの蜘蛛の糸。
いよいよ終盤ということで、地獄シリーズから地獄の料理人、そして初期の名作・天国に結ぶ恋、ラスト一発針の山と、駆け抜けて本編は終了と相成った。
しばし椅子に座り手拍子とともにアンコールを待つ。
再びステージへ戻ってくるメンバーが繰り出すのはベスト盤収録のラヴクラフトシリーズ・宇宙からの色。
筆者も非常に好きな一曲であり、MVも何度も観た。
そして凄惨なる三三七拍子曲・地獄風景でアンコールは一旦終了。
ここでナカジマ氏をお祝いすべく、数字の56バルーンとケーキが進呈される。
和嶋氏のハッピーバースデイに合わせて、火が着いている体のろうそくを一息に消すアニキである。
赤フンをチラ見せするファンサービスとともに、ラストの一曲はどっとはらい。
圧倒的な大団円でもってツアーファイナルは幕を閉じたのであった。
おわりに
今回も大満足のライブであった。
レア曲だろうと魅せに魅せる人間椅子を体感した。
ナカジマ氏がまたひとつ歳を取り、つかのまの全員56歳と相成ったメンバーである。
歳は取るが衰えを知らない彼らの演奏はますます研ぎ澄まされるばかり。
どうかできる限り長く、彼らの演奏を体験しつづけたいと今回もまた実感した。
そして2023年には新譜作成という情報も開示され、これまた楽しみでならない。
また生の人間椅子のライブを目の当たりにしたいという気持ちが高まっている。
いやはや、それにしても人間椅子、今後の活動も目が話せないのであった。