2023年10月25日、PIGGSメジャー1stアルバム「RAWPIG」が発売された。
コレを待っていた、という振り切ったアルバムである!
ロック!
ということで聴きまくっているので中身を紹介していきたい。
目次
RAWPIGを聴くべし
RAWPIGはこんなアルバム【原点回帰】
シングル曲に加えインダストリアル、グランジに、異国情緒感じる曲まで、HALLO PIGGSばりの振れ幅である。
さらに尖らせた様は万人受けといったものは度外視しているだろう。
Ryan氏の言葉や詞の端々からもそれが伝わるゾ
それを表すかのようにタイトルのRAWは「生」ということで生肉的な剥き出しなニュアンスを伴う。
チームPIGGS、そしてアーティストRyan.B氏のフリチンな意志をひしひしと感じる、そんなアルバムである。
その曲の数々は聴くものをブランブランと揺さぶるのだ。
信念のこもった曲はどれもかっこよさがあり、刺さる人には深く突き刺さる。
その根底にあるのは、チームPIGGSの原点回帰的な想いだろう。
公開されている複数のインタビューからもわかるように、メジャーデビューからの紆余曲折はチームの迷いも誘発させたようだ。
その迷いを経て、チームとして見据えるものや姿勢もまた明確になったのである。
また並行してプー・ルイ社長の休養期間やCHIYO-Pの脱退などを経てメンバー個々のレベルアップもあり、それはそれぞれの曲からも感じ取れる。
さらにメンバーが6人編成となり、新たな武器を備えた様相でもってますます勢いが感じられる。
そんなこんなで、一周回ってまた前を見据えるチームPIGGSのアツい想いを体感すべし!という最高にロックなアルバムである。
筆者は非常に好きなのである
ちなみにMETTY氏が手掛けたジャケットは目と芽のダブルミーニングな画像が用いられている。
これは「思いが溢れていく中で咲いていく花がある」という大きなテーマを表しているとのこと。
インタビューによると色々な生物の目を合成した画像となっているそうな。
コタの目も使われているらしいゾ
RAWPIG収録曲
- ピラニア型人造人間
- Fleeting
- INSOMNIA
- YOU KNOW ME (Album ver.)
- 豚 HAVE THE POWER
- ファイティングブレイン (Album ver.)
- リバーサイド・モーテル
- BOO!SHUT (Album ver.)
- スプートニク1号
- Route 91665
- 負けんなBABY (Album ver.)
- ワイルドサイドを歩け (Album ver.)
- 人間すぎる
各曲の感想
以下、筆者によるフィーリング重視な曲紹介である。
曲の背景などは、各インタビュー記事を下敷きにしているゾ
1. ピラニア型人造人間
Ryan氏一人の手によるインダストリアルなトラックはどうにも不穏で、わずかにポップである。
新機軸な曲調!
Ryan氏の懐の深さを感じる一曲!
Ryan氏の中にはこの曲を始めとしたストーリーがあり、Fleeting、スプートニク1号、人間すぎるとつながりがあるそうな。
共食いしなければ生きていけない社会で生きるためにピラニア型人造人間になるも、人間の心が残っていたことで自爆の道を選んでしまう、という主人公の生き様が記されている。
2. Fleeting
ナリフリ構わない最狂リード曲。
自爆したピラニア型人造人間が生まれ変わった後のあがき、もがき、そして復讐の歌である。
何やらワルい感じのビートに緊張感のあるギターが乗りメンバーの激しい歌唱がぶちまけられる。
カッコよすぎ…!
新メンバーの声の魅力の一端を大いに感じられる曲でもある。
SU-RINGの荒ぶるロックな歌声やBIBIの歪みが魅力的な歌声も要チェックと言える。
MVも最高に良いので併せてチェックすべし!
発表時の筆者の感想はコチラ↓
3. INSOMNIA
いきなり悪口が耳を埋め尽くしてドキリとする。
「不眠症」を冠した曲。
サビの異国(東欧?)感のある怪しげなメロディはともすれば楽しげ。
(その妖艶なメロディから筆者の中に「めざせモスクワ」のあの動画の情景が去来するからかもしれない)
とはいえなかなかハードな詞で筆者などは結構ヒリヒリする。
「瞳孔が開いてるよ」
Ryan氏のポストによると、「歯を磨いて〜」のパートの変拍子は7/8+7/8+7/8+8/8の29(ニク)拍になっているそうな。
— BRIAN SHINSEKAI / Ryan.B (@BRIAN_SHINSEKAI) October 25, 2023
こだわりがすごい…!
4. YOU KNOW ME (Album ver.)
4人体制での初舞台にて初披露されたシングル曲。
シングル曲らしく非常にキャッチーでありつつも、PIGGSのその時が封じ込められた曲にも感じる。
タイミング的に別れに際しての歌のようにも捉えられるが、広い意味で作られているとのこと。
MVも相まって共同生活をするPIGGSの歌としても聞こえる。
あとキョロキョロするコタが非常に可愛い。
5. 豚 HAVE THE POWER
「飯を喰らうこと」を歌った、豚な言葉遊び(?)に満ちた楽しげな一曲。
アルバムで一番陽気でキュートでポップである。
そして生命力に満ちている。
上司憎いんじゃが(肉じゃが)
ほーい転がる石(回鍋肉!?)
SO SAY意地(ソーセージ)
埋めとったん?(梅とんタン!??)
メンバーの可愛らしい歌い方がとても良い。
特にFleetingとまた違った表情のSU-RINGや、BAN-BANの声がいい感じだな〜
タイトルは、パティ・スミスの“People Have The Power”という曲のオマージュだという。
6. ファイティングブレイン (Album ver.)
BOO!SHUTのカップリング。
エクスターミネーターを想起するような硬質なムード漂う一曲。
SHELLMEとBAN-BANの喧嘩的な掛け合いがおもしろい。
Don’t let me down down down…のとこなんか心地よい
7. リバーサイド・モーテル
INSOMNIAに続き(?)怪しげなムードの音階、掛け声が印象的な一曲。
ロカビリーというか、なんか中東感ある…!
この曲は大人なムードが漂っているが、ここでもまたRAWPIGの決して迎合しない意志を強く感じさせる。
「9割9部に嫌われてもキミに刺され」…!
タイトルは井上陽水の“リバーサイド・ホテル”のオマージュとなっている。
8. BOO!SHUT (Album ver.)
非常に言葉が詰まった一曲。なんとなく90年代を感じさせる。
プー・ルイ社長のソロ〜初期BiS時代に体感した「嫌われてもいいから存在を証明して曲を広めたい」という基本姿勢が込められている。
SHELLMEのラップ調のパートが非常に素晴らしい。
かっこいいしすごい似合ってる…!
シングルで聴いてたのでCHIYO-Pの声思い出しがち
9. スプートニク1号
ゆったりと聴かせるテンポで静かに始まり、徐々に音が乗っていく。
冒頭のBIBIの声ですぐさま引き込まれる。
この曲のBIBIの、どこか少年っぽい声もまた素晴らしい…!
各メンバーの声がよく聴こえる一曲でもあり、じっくり聴きたいところ。
アルバムのメッセージと言う意味でも重要な一曲。
スプートニク1号とは世界初の人工衛星だ。
3週間ほどで役目を終え、その後世界初のスペースデブリとなている。
BAN-BANがインタビューにてこの曲への想いをコメントしている。
デヴィッド・ボウイの“Heroes”がモチーフになっているという。
10. Route 91665
松隈氏とRyan氏のセッションにて生まれた曲。
松隈氏の楽曲の持つエモーショナルな魅力が詰まっている。
更にRyan氏がピアノで曲を鮮烈に彩り、さらにその詞で熱を纏う。
詞は自身をメンバーのような視点において書かれており、これまでそれぞれが辿った道を想起させる。
一周回ってゼロ地点に立つチームPIGGSの想いがあふれる。
プー・ルイ社長と松隈氏の対談記事も必読。お互いに撮り合っている写真も良い。
↓公開時の筆者の感想はコチラ。
11. 負けんなBABY (Album ver.)
力強いメッセージのメジャー1stシングル。
プー・ルイ社長のアツい想いの下メジャー1stシングルとして選定されている。
この曲だけ詞に「PIGGS / Ryan.B」とクレジットされており、メンバーの言葉も込められているのも聴きどころ。
またアレンジも初の試みとしてRyan氏がお願いしたい人として村山☆潤氏が担当している。
ストレートでいて一周回った視点となっており、それを踏まえラストのKINCHANのアツいアジテーションが魅力である。
12. ワイルドサイドを歩け (Album ver.)
シングル曲YOU KNOW MEのカップリングの軽快なロック。
PIGGSのこれまでとこれからを歌った歌である。
原点回帰の意識が出た時期に作られた模様。
何やらチーム内(?)でこの曲に至るシビアな状況が発生していたそうだが、無事にその時期を切り抜けて歌えるようになったそうな。
13. 人間すぎる
アルバムラストを飾る魂の一曲。
静かなようで力強く、どこか焦燥感もある。
人が悩む=人間らしくありすぎるときには「感情が余っている」というRyan氏の感覚でもって、社会に調教されて生きざるを得ない人の哀愁を歌っている。
人間すぎるが故に人間らしく生きたくとも、必ずしもそうはできない。
そんな想いが去来し、簡単にはハッピーエンドには落ち着かない現実に気づかされる。
そしてプー・ルイ社長の溢れるような叫び、残響するディストーションギターの哀切に満ちた余韻に、どうしようもなく心揺さぶられるのである。
泣いた。
聴きながら読みたいインタビュー記事
曲の感想の中でも色々紹介したが、RAWPIGを聴くに当たり是非併せて読みたいインタビュー記事を紹介させていただく。
メンバーに加え、Ryan氏とMETTY氏を迎えてのインタビュー。
各曲についてのRyan氏のコメントや、METTY氏からデザインやチームの変化についても語られており読み応えあり。
なんかサムネイルのビジュアルが強い(特にフロント二人)
メンバーインタビュー。
新メンバー二人の自己紹介に始まり、6人体制における各メンバーの心境なども語られる。
コチラはメンバーにRyan氏を交えた7人でのインタビュー。
新体制始動前後からの話からレコーディン、そしてツアーの話に触れている。
メンバーにより共同生活に合流した新メンバー2人の話から、ツアーでのインフルエンザの話、そしてRAWPIGの話が語られている。
おわりに
ということでPIGGSの「RAWPIG」がイイ!という話である。
筆者としてはHALLO PIGGS以来の衝撃をまた味わっている状態である。
是非RAWPIGに触れ、転機を経て勢いをつけるPIGGSの今を体感してほしい。
まじでかっこいいアルバムなのだ!
聴こう!