気になっていた1980年の映画『クルージング』のリバイバル上映(ウィリアム・フリードキン監督)がキネマ旬報シアターにて上映開始、ということで遅ればせながら鑑賞してきた。
濃かったわ〜
フリードキン監督、アル・パチーノ主演!
そんなわけで感想なんかを書き記しておきたい。
※以下、映画の内容に触れているのでご注意ください。
『クルージング』のおおまかなあらすじ
1970年代のニューヨークのハドソン川にて、バラバラ死体の腕が発見される。同時期に未解決事件としてバラバラのパーツが発見されているが、同一人物かどうかの判定は困難であった。
またあるホテルで背中を滅多刺しにされた裸の男性の遺体が発見される。もろもろの痕跡から被害者はゲイと考えられ、その半年ほど前にもコロンビア大の教授が同様の手口で被害にあっていたことと関連付けられた。
この殺人事件の捜査指揮を執るエデルソン部長(ポール・ソルヴィーノ)より呼びつけられた警官スティーブ(アル・パチーノ)はゲイ・コミュニティへの他言無用の潜入捜査を命じられ、恋人ナンシー(カレン・アレン)にも任務の内容を秘したままに夜のSMクラブへと出入りを始める。
グリニッジ・ヴィレッジにアパートを借りて偽名にて生活を始めたスティーブは毎夜クラブへ出入りをして情報を集めては人気のない場所で部長へと報告をしていたが進展はない。どころか夜のセントラルパークで、コインシネマで、犯行は繰り返されてしまう。無実の容疑者への非人道的な取り調べなどもあり、次第にスティーブは心身を崩し始め、ナンシーとも距離を置くことになる。
潜入捜査から降りたいと告げるスティーブだったが、エデルソンの懇願により渋々被害にあったコロンビア大の教授の講義を受講生リストをチェックする。そしてある人物に目を留める。
そんな感じ!
『クルージング』のほんわか感想
かなりニオイ立つ映画であった。
むんむん
それこそレイザーラモンHGのような出で立ちの男たちが夜のクラブで所狭しと粘性の視線を飛ばしあい、熱く絡み合うゲイカルチャーの描写は非常に生々しく感じられ、噎せ返るような熱である。これは実際のSMクラブで常連がエキストラとして出演して撮影されたそうな。
また事件自体は1973-79年に実際に発生した事件を元にした映画となっている。
ほんのりとした野心で潜入を開始するスティーブが、未知の世界の洗礼を受け、少しずつ絡め取られるような不穏さが良かった。
終わり方も、うまく着地したと思ったらまた放り出されたような、「結局どうなったの!?」という不安が残り、なんともあと引くおいしさがある。
パンフレット的な「80年代アメリカ犯罪映画の世界 特集クルージング」も読み応えあり。
個人的には衝撃的な取調室のジョックストラップマンの存在が実際にあったことだった、という記述に度肝を抜かれた次第である。
あの人まじで怖い
体つきがバケモンだった…
おわりに
ということで、『クルージング』を観た!という話である。
未知の世界が広がっていたわけだが、結構見入ってしまった
フリードキン監督すごい…!