最近見た映画【2025年1月④:ストップモーション、鹿の国など】

ストップモーションの人形コマちゃんと灰男(アッシュマン)

映画館やサブスクで観た映画を記録していく。

今週からU-NEXTの有料期間が開始したが、観たいのがスタックしているので引き続き日々見ていきたいところ。

【Prime Video】ボーはおそれている

アリ・アスター監督の3作目。個人的には前作に比べると没入しがたい印象。ってかわからん。

独身中年ボーは珍ハプニングで帰省に失敗し母親に罵倒される。で、水必須のクスリを飲もうとしたら家の水道がとまってて焦ってコンビニに駆け込むも、ホームレスに自宅を乗っ取られ、その間に母が怪死。今一度帰ろうとするもうっかり風呂に入ったら天井におっさんが張り付いてて、びびって飛び出したら全裸通り魔に間違えられ警官に撃たれかけ、その勢いで轢かれて刺されて、轢いた加害者に拉致られ自宅で手当され、そこの娘に嫌われまくり、そこの同居人に命を狙われ、色々あってどうにかこうにか実家までたどり着くのだが…という、おっさん(ホアキン・フェニックス)が災難にあいまくる映画である。

相変わらず嫌な描写が素晴らしいのだが、通してわりとポカーンとしてみていた。町山智浩氏の解説動画などを見て「ほーん」となったりした次第である。

【U-NEXT】ファーゴ(1996)

コーエン兄弟による1996年の名作。

金を工面すべく夫が自分の妻を狂言誘拐させて義父から大金をせしめようとしたところ、誘拐を依頼したチンピラがあんまりなやつらで途中でうっかり3人もの人を殺しており、その後もなんやかんやで散々な結果に終わるというブラックコメディ感たっぷりなサスペンス。

計画していた通りに全く運ばない残念な感じに、もはや笑うしかない感すら立ち込めてくる。

【U-NEXT】桐島、部活やめるってよ

大いに感銘を受けた新作『敵』の吉田大八監督の2012年の監督作。これまた面白くて一気に監督のファンになりつつある。

話はある高校の生徒「桐島」が急に部活をやめたらしい、ということが周りの高校生たちに妙な波及を及ぼしていく群像劇。彼の親友や彼女やその友人たちにバレー部の部活仲間、そしてあまり関係のない吹奏楽部や映画部までを巻き込んで彼らの中では大事に発展するのだが、最後まで「桐島」自体は現れることがない。金曜から火曜にかけてを曜日単位で、何人かの登場人物の視点で同じ時間軸の物語が何度か繰り返される。

高校生らしい運動部・文化部・帰宅部の雰囲気だったり、表面的なやりすごしやら、内に秘める想いやら、なにかに打ち込む姿やなんにも打ち込めない感じやらが、なんだかリアル。で、それがある視点からはわからないが、別の視点で浮き彫りになっていく構成の妙を大いに感じる。

若き日の神木隆之介氏や東出昌大氏の演技が大変素晴らしいのであった。

筆者
筆者

神木くんが演じる映画部前田の運動音痴な感じがもう最高

【映画館】嗤う蟲

ステキなスローライフを夢見てド田舎へと移住した若い夫婦が村に絡め取られていくビレッジスリラー。ほんのりと溜まっていく違和感に気づいたときにはしっかりと絡め取られていて逃げるに逃げられない構成がイイ感じ。村の秘密とそこからの狂乱に乗じた着地地点も良かった。

【映画館】ストップモーション

偉大なるストップモーションアニメ作家の母からの徹底的な抑圧と服従からふと放り出されたヒロインが、ある日であった不思議な少女との邂逅から始まる創作地獄に臨むサイコホラー。

結構痛いしキモチワルイ。

グロカワなコマ撮りアニメがとても良い。

なんと実際に撮影に使用された実物の人形が展示されていた。
灰男(アッシュマン)
コマちゃんと呼ばれている模様。

【U-NEXT】セッション

ディミアン・チャゼル監督の2014年の作品であり、第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、3部門で受賞している。助演賞を受賞したJ・K・シモンズの怪演が凄まじい。

話は偉大なジャズドラマーを志す青年アンドリューがアメリカ最高峰の音楽学校にて学院最高の指導者と言われるフレッチャーと出会い、狂気に肉薄する指導と文字通り血が滲みまくりな鍛錬でもってドラムに向き合い続け…というもの。

ラストの展開からくる凄みはまさに圧巻であった。

【映画館】鹿の国

太古から諏訪の地に根付く自然信仰に迫り、謎に満ちた神事の再現に挑むドキュメンタリー。

日本の美しい四季の移り変わりや、そこでクラス人々の姿を収めた映像がとても良い。

平日にも関わらず満席となっていた(席予約した矢先に近所での上映が決まった…)

【映画館】94歳のゲイ

昨年公開のドキュメンタリー映画。主人公たるゲイ男性・長谷氏の追悼上映とのことで初めて鑑賞した。

同性愛が病と扱われていた時代に、孤独を決め込んで詩作を拠り所として生き抜いたその人生と、時代の移り変わりに迫るこれまた素晴らしい作品である。一人で暮らす長谷氏は非常にチャーミングなキャラクターであり、それだけに時代が少しでも早く動いていればともどかしい思いが去来した。晩年にわかりあえる友人ができたことは本当に救われる思いであった。

また薔薇族編集長伊藤文學氏のアツい想いに触れ感動したり。おすすめドキュメンタリーである。

【映画館】ディックス!! ザ・ミュージカル

生き別れた双子が不意にめぐり逢い、『家族』を求めて両親の復縁を目論むコメディ・ラブストーリー・SF・スリラー・ミュージカルな家族ドラマである。

素晴らしい楽曲に徹底したド下ネタな珍歌詞が乗り、不謹慎でもって殴りつけ、しまいにはポリコレ的な諸々もまとめて殴り倒す珍ストーリーには妙な爽快感がある。A24初のミュージカルとの触れ込みで鑑賞した。珍映画である。

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