『首』を観た【1968年の映画】

映画『首』(1968年作品)を観た!

不意にDVDを購入して映画を観た。

筆者
筆者

何やらむき出しの正義に震えたぞ…!

ということで紹介してみたい。

実話を描いた作品

筆者が観た『』は1968年の映画である。

つい昨年の11月にDVDが発売されたとのこと。

原作・遠藤周作、監督・森谷司郎、主演・小林桂樹、となっている。

1944年の戦時下の日本に発生した実在の事件を描いた作品である。

その事件は「首なし事件」と呼ばれているらしい。

おおまかなあらすじ

茨城県の炭鉱夫が警察にて取り調べのさなか急死する。

死因は脳溢血と推定され、早々に仮埋葬することになってしまう。

死因を不審に思う炭鉱の面々は東京の弁護士会へ相談することに。

最初は「再解剖して終わりでしょ」と思っていた正木弁護士(小林桂樹)だったが、次第に生来の正義感に駆り立てられる。

死んだ男の仲間の炭鉱夫たちは、賭博容疑で警察から拷問を受けていたのだ。

また隣の炭鉱業者と街の駐在には癒着があるという。

解剖に立ち会った遺族から聴いた遺体の状況はどうにも不審である。

調べるほどに人権蹂躙の事実が浮き彫りになってゆく。

そして東大法医学教室の先生へ相談したところ「首さえあれば調べられる」と聴かされる。

正木弁護士は決定的な証拠を掴むべく『首』を切り取って都内へ輸送することを決意する。

正義漢の熱に触れる

小林桂樹の熱演に震えた。

仮埋葬地にて、ひとり決意を新たにする様。

墳墓発掘・死体損壊という首取りにおけるあらゆるリスクを懸念しつつも行動に突き動かされる様。

そしてすべてのミッションを完遂して死因を突き止めた際の、壁にすがりつき想いが渦巻き溢れ出す様に心が打ち震える思いであった。

筆者
筆者

戦慄した

モノクロの画面からは鬼気迫るものを感じずにはいられなかった次第である。

当時の社会のタブー(=警察による拷問の横行)にひとり切り込んだ男の奮闘の記録なのだ。

そして今一度驚くべきことにこれが実話なのである。

トリ
トリ

かっこよすぎ…!

正木弁護士はその後も多くの冤罪事件に関わったそうな。

おわりに

ということで『』を観た!という話であった。

観たきっかけは平山夢明先生のメルマガである。

2023年の12月には都内で上映されていたらしい。

平山先生もおすすめのようなので、お正月に観てみようと相成ったわけである。

筆者
筆者

おすすめ!

余談だが、かすれた明朝体を用いたタイトルや『終』のタイポグラフィがかっこよい。

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