ふと思い立ち、先日現実逃避のために軍艦島へ行ってきた。
平日に数日間のまとまった休みが取れたのである(ゴールデンウィークに出社した分の休みである)。
トリ
この記事ではその時の行程を振り返りつつ、行き方について記す。
これから軍艦島上陸を目論む方々の参考になれば幸いである。
ちなみに筆者は上陸に失敗した。
目次
軍艦島(端島)の行き方
1. 軍艦島上陸までの大まかな流れ
5社選択肢があり、大体4000円程度かかる。
2. 知っておいた方がいいこと3点
軍艦島上陸を目指すにあたり知っておいた方がよさげな項目3点を以下に提示する。
1.ツアー参加が必須
現在軍艦島へはツアーによる上陸しかできないのである。
予約が必要になるので気をつけるべし。
2.服装は動きやすいもので 傘は持ち込めない
服装は動きやすいもので。草履やハイヒール等は上陸させてもらえないこともある。また傘や日傘の持ち込みは禁止。
3.確実に上陸できるとは限らない
海面の状況や天候によっては、確実に上陸できるとは限らない。
状況次第で島の桟橋の利用が禁止される。基準は以下の通り。
- 風速が秒速5メートルを超えるとき
- 波高が0.5メートルを超えるとき
- 視程が500メートル以下のとき
※上記範囲内でも船長の判断次第では桟橋が使えないこともある。
意気込んで赴いた筆者だったが冒頭記した通り、上陸が叶わなかった。
天気は悪くなかったのだが、思いの外海面のうねりが強かったのである……。
心構えを持って臨むべし。
3. 各ツアーの基本的な情報
ツアーの実施が許可されている業者は全部で5社。いずれも予約が必要となる。
取り敢えず料金とツアーの所用時間、開始時間、大まかな集合場所は以下の通り。
ツアー会社 |
|||||
料金 |
¥4,200 ※ WEB早期予約の 割引あり |
¥3,600 |
¥3,900 |
¥4,000 ※ 土日祝日繁忙期は ¥500増し |
¥24,000 ※ 1隻4名までの料金 詳細はHPへ |
出航時間 | 午前便 9:00 午後便 13:00 |
午前便 9:10 午後便 14:00 |
午前便 10:30 午後便 13:40 |
午前便 10:30 午後便 13:40 |
午前便 10:00 午後便 15:00 |
所要時間 | 2時間30分 | 3時間10分 | 2時間30分 | 2時間30分 | 1時間30分 |
船の定員 | 225名 | 200名 | 120名 | 200名 | 20名 |
集合場所 | 大波止 | 大波止 | 大浦海岸通 | 大浦海岸通 | 野母崎 |
ツアー参加にあたり、軍艦島の上陸料が別途¥300かかる。
ちなみに集合場所の大まかな位置は以下の通り。
4. 各ツアーの特色
特色は以下の通り(1社しか利用していないため、正直よくわからん)。
ちなみに筆者が利用したのは軍艦島コンシェルジュである。実際に参加しての感想は次項にて紹介する。
やまさ海運
- 歴史がある(観光解禁後初上陸したのがやまさ海運)
- 上陸後に島の周りを船で一周するから裏側も見れる
- 船が一番でかい
5. ツアー参加の感想(写真多め)
ということで、軍艦島へ赴くにあたり筆者は軍艦島コンシェルジュへツアーの申し込みをした。道中の写真を交えて紹介する。
選定した理由は上陸率の高さを謳っていたため。
結果上陸はできなかったが、こればかりはしかたがない。
以下にツアーのよかった点を記す。
よかった点
- 上陸できなくても充実の内容
船上からの景色だけでもかなり楽しめた
モニタで予習用の動画がいろいろ見れる - 上陸できなかった代わりにデジタルミュージアムを無料で観覧できた
オープンしたて(2018年4月)できれい
VRは見応えあり(今は立ち入れない島内の区域を体験できる) - 船酔いしなかった
参加したときの状況
- 参加時期は6月なかば
- 当日の天気は曇り(前日は雨)
- 平日の午前の部に参加
当日朝は大波止のビジネスホテルから徒歩で向かった。15分程度で集合場所の建物に到着。
長崎の市街は意外と歩けるので時間や体力に余裕があれば歩くのもいいだろう。
(もはや交通機関を調べるのがめんどくさかっただけとも言える)
受付は余裕を持って済ませるべし
まず受付である。
クレジットにて料金は支払い済みだったため、誓約書を記入し、見学者証を受け取って終わり。
この日は参加者が少なかったためすぐ済んだが、休日は混雑するかもしれないので余裕を持って集合することが推奨される。
ついでに船酔いを抑えるための飴玉がもらえた。
受付の建物にはグッズやお土産が置いてあるので少し時間つぶしができる。
また建物にはトイレがあるので済ませておくべし。
船に乗るときはプレミアムチケットが優先
平日で参加者が少なめだったからか、定員140名のマーキュリーという船に乗った。
軍艦島コンシェルジュでは、この船以外にも定員200名の船もあるそうである。
ちなみにこの日参加者は50名程度。ご年配のグループや外国からの旅行者が多く見られた。
プレミアムチケットなる優待付きの高いチケットで参加されている方々が優先的に乗船する。
普通のチケットで参加した筆者だったが、人数が少なかったため席にもかなり余裕があり、開放的な2階席の海側という良い席に座れた。
休日となると混むことが予想されるため、船内からの景色が見えづらい席になることも考えられる。
平日の旅行は実に良いものである!
船での移動中は見所が多い
世界遺産のジャイアント・カンチレバークレーンをはじめとし、かなりでかい機械が間近にあり見応えがあった。写真多めで紹介する。
徐々に沖へ向かい。船の速度も増す。
いよいよ軍艦島が見えてくる。
軍艦島到着
明らかに異様な雰囲気の島がそこにあった。
到着すると一旦裏側へ回り込む。
そこからの見た目が最も軍艦のように見える方向だという。
移動中はそこまでわからなかったが、海面が大きくうねっていた。
船長さんが一旦上陸し、必死に船を停めようとしてくれていたが上陸はかなわず。
ということで港へ引き返すことに。
ちなみに帰り道に支払い済みの上陸料300円が帰ってきた。
その直後に船内販売として軍艦島アイスが300円で販売される。
なにやら悔しいので筆者は食べなかった。
しかしながら特製カステラに挟んであるアイスはなかなかに美味しそうだったこともここに記す。
軍艦島デジタルミュージアムは時間があればオススメ
上陸できなかったということで、軍艦島デジタルミュージアムの無料入場券をもらえた。
軍艦島デジタルミュージアムは、下船した場所から徒歩4分ほどの場所にある新しい施設である。
2018年の4月20日にオープンしたばかりであり、行ってみるとなかなかに見応えがあった。
特にすでに立ち入ることのできない島内の区域をVRにより擬似的に移動しながら見渡せる展示は良かった。
またアート寄りの展示から学術的な展示まで幅広く、しっかり観るとかなり時間がかかる。
時間と興味があれば是非、と行ったところ(普通に入ると結構高い)。
軍艦島デジタルミュージアム
- 営業時間 9:00 – 18:00
- 入場料 一般 1,800円
- 軍艦島コンシェルジュとのセットプランで半額になるそうだ
※ちなみに上陸できなかった際にセットプランだった場合にどうなるのかは、事前に問い合わせたほうがいいかもしれない。筆者がツアーに参加した際にもこの状況の方々がいらっしゃったが、ガイドさんに問い合わせた際にすぐに答えが出てこなかったようだった。もしかしたらルールの整備ができていないのかもしれない(2018年6月に筆者がチラ見した情報)。
さらに高まる写真集
帰宅後、上陸できなかったモヤモヤから筆者は軍艦島の写真集の購入に走った。
結果として、かなり良かったことをここに記す。と同時にやはり上陸したかったという思いが強まるのであった。
ちなみに悔しさのあまり2冊購入してしまったので簡単に紹介したい。
軍艦島全景
軍艦島の全貌に迫る一冊。建物一つ一つについて詳説されており、当然写真付きである。資料的価値も高そう。
ちなみに2008年に出版されており、70号棟の最上階がまだ崩れていない状態だったりと、今島を観るとその変遷も体感できる。
THE ISLAND
2018年出版。帯の言葉「この町には耳をふさぎたくなるほどの静けさがある」という言葉の強さにぐいぐい惹かれて手に取った次第である。これまた軍艦島全景とは別の角度で圧巻の写真集である。
構成が実に素晴らしい。
この写真集には各写真に不思議な、それでいて力強い言葉が添えられている。それらは通して1つの詩のようでもある。軍艦島のことを語っているようであり、唐突に自分の生活する街に目を向けさせるような強引なほどの言葉にドキっとさせられる。
この詩のような言葉は、島のある場所に一時期書き殴られていた落書きだったというのである。そのことが記された作者のあとがきでハッとさせられ、さらに巻末に実際の落書き(今はもうないらしい)の写真が掲載されており衝撃を受ける。
写真も美しくかなりのおすすめである。
まとめ
以下のことの留意し、軍艦島を目指すべし。
- 軍艦島上陸にはツアー参加が必須
- 動きやすい服装で・傘は持ち込み不可
- 上陸できなくてもかなり楽しめる
- 写真集を観ておくと期待が異様に高まるだろう
上陸できなかったのは非常に残念だった。しかしそれにしても現実逃避には最適である。
かつてそこにいた人たちの日常の場が、今や我々に対して圧倒的な非日常と化している。
軍艦島、面白いものである。