加えて、8年ほど都内のワンマンライブにはほぼ欠かさず通っている筆者が、アルバムにおけるライブ定番曲についても紹介する。
人間椅子の恐ろしくカッコ良い音楽に触れるきっかけになればと願ってやまない。
人間椅子を聴くべし vol.2「現世は夢」未来を感じさせるベスト盤
現世は夢 二十五周年記念ベストアルバム
2014.12.03 Release
DISC1
01. 針の山
02. りんごの泪
03. 天国に結ぶ恋
04. 賽の河原
05. 人面瘡
06. ダイナマイト
07. 地獄
08. 黒猫
09. 幽霊列車
10. 地獄風景
11. 死神の饗宴
12. 相剋の家
13. 品川心中
14. 陰獣
15. 神経症 I LOVE YOU
DISC2
01. どっとはらい
02. 冥土喫茶
03. 深淵
04. 今昔聖
05. 蜘蛛の糸
06. ねぷたのもんどりこ
07. 新調きゅらきゅきゅ節
08. 地獄の料理人
09. なまはげ
10. 地獄への招待状
11. 悪徳の栄え
12. 悲しき図書館員
13. 宇宙からの色
極めて充実した内容のベストアルバム
「現世は夢(うつしよはゆめ)」は人間椅子のそれまでの25年の活動と、そこに常にあった彼らの信念を丸ごと聴く者の臓腑にねじ込むような快作である。
そのまま内側から貫かれること必至なわけだが、その後に残る景色は未来への曙光と無上の感動のみである。
トリ
さて、やや取り乱しがちに切り込ませていただいたが、つまりは25年のキャリアを余すとこなく詰め込んだだけでなく4曲もの新曲が収録されているの充実の内容なのである。そして新曲はどれも秀逸ときている。
この充実っぷりはただごとではない。
2枚組18曲、多くの方に聴き入って欲しいと願ってやまない。
ライブの定番曲も多くこれから人間椅子の世界に足を踏み入れる方におすすめ
充実のベストアルバム、つまり当然いいとこ取りと言える選曲である。
ライブの定番と呼べる曲ばかりであり、「これから行くフェスに出演するから見てみよう」と思っている方や最近人間椅子が気になっている多くの方々にとって最高の入門盤とも相成るわけである。
以下に筆者オススメの、「ライブで演奏頻度の高い必聴曲」を5曲チョイスさせていただいた。参考にされたし!
筆者厳選ライブ定番曲5曲
- 針の山
ライブでほぼ確実に聴ける超定番。大はしゃぎの一曲。 - なまはげ
ダブルアンコールでよく聴ける新定番。 - 相剋の家
寺山修司的詞世界のヘヴィチューン。カタルシス感じる展開も魅力。 - どっとはらい
これもダブルアンコールでよく聴ける定番。間奏の妙技も憎い。 - 黒猫
和嶋氏の圧倒的表現力に聴き入る一曲(なにやら猫っぽい!)
名曲揃い踏み
新旧入り混じり揃って名曲ばかりである。
「じゃあもう他のアルバムは聴かなくて済む!」などと思ったそこのあなた! 安心されたし。
本人たちをしても削るのに苦労したという充実の曲数は発売時で200を超える(筆者数え)。
2枚組18曲には入りきらなかった曲がたくさんあるのである。オリジナルアルバムも是非聴いていただきたい。
これだけの曲があるということは続けることの体現である。人間椅子の作り続ける信念を前に、筆者などはもはや感動するしかないわけである。
余談だが、いつかのライブのMCで和嶋氏が言っていた。
「B’zさんとは同時期にデビューしましたが、アルバム数は我々が勝ってます!売り上げはともかく!」
面白MCだが、しかしその継続する力は確固たるものである(ちなみに人間椅子のライブはゆるめのMCも聴きどころの1つである!)。
また今作には「0作目」と呼ばれるインディーズ時代のアルバムからも2曲収録されている。
- 陰獣
かの「イカ天」にて披露された伝説的一曲。二十周年ベストには別のチューニング(1音半下げ)で収録されているのでそちらも必聴である。 - 神経症I LOVE YOU
ロックンロール感満載の軽快な1曲。映像作品「遺言状放送」にライブ映像が収録されている。
未来をも感じさせる新曲群
このベストアルバムは、4曲もの新曲が収録されている。
そのどれもが非常に聴きごたえがあると言わざるを得ない。
現世は夢の新曲
- 地獄への招待状
鈴木氏作曲でおなじみ地獄シリーズにして、モーターヘッド風とも言えるバツグンの疾走感に満ちた一曲。最高の一言である。 - 悪徳の栄え
退廃がテーマの不謹慎さ溢れる一曲。常識をすてるべしという和嶋氏のメッセージである。 - 悲しき図書館員
人間の小ささと悲しさを描いた鈴木氏作曲のミドルテンポ曲。実に味のある一曲。 - 宇宙からの色
超絶キラーチューン。和嶋氏渾身のラヴクラフトシリーズ。聴くべし!ホラー・アンド・テラー。
ベストアルバムながら、これだけの熱量でもって曲を作る姿にこれまた感動する。
これまでの名曲に肩を並べてまったく見劣りしない。更に新しさを感じさせつつも違和感もない。つまりは当初から標榜する、人間椅子の信じる音楽を今もずっと続けている証である。続ける力にこれまたグッとくるのだ。
今後の活躍にますますの期待が募るばかりである。
人間椅子を聴くべし
さて、気付けば発売から4年ほどたったベストアルバムの紹介であった(2018年7月現在)。
この「人間椅子を聴くべし」シリーズも随時追加して行く所存なので、合わせて読んでいただければ幸いである。
この記事で少しでも多くの人が人間椅子の音楽に触れることを願ってやまない。
これをきっかけとして人間椅子という名の沼の底まで共に沈んでいただければこれ以上のことはない。
いやはやそれにしても人間椅子、面白いものである。
このベスト盤をきっかけとして是非他のアルバムも手に取り、ライブへ行くべし!