加えて、都内のワンマンライブには2011年からほぼ欠かさず通っている筆者が、アルバムにおけるライブ定番曲も紹介する。
人間椅子の恐ろしくカッコ良い音楽に触れるきっかけになればと願ってやまない。
トリ
人間椅子を聴くべし vol.13「修羅囃子」良曲多し!後藤マスヒロ在籍の最後のアルバム!
修羅囃子 収録曲
2003.01.22 Release
01. 東洋の魔女
02. 鬼
03. 愛の言葉を数えよう
04. 月に彷徨う
05. 野球野郎
06 .最後の晩餐
07. 終わらない演奏会
08. 王様の耳はロバの耳
09. 恐山
10. 蛇性の淫
11. 相剋の家
相剋の家
アルバムの特徴 修羅囃子
衝撃のジャケット
さて、今となっては和服姿が定着した和嶋氏だが、この時は一味違う。
和服は和服なのだがまさかの花魁姿である。そしてヒゲ。
さて。
しかしこの時の迷走(?)を経て今に至る和嶋氏である。
歴史の1ページとして知っておくべきであろう。
ライブ定番曲は少なめだがこれまた良曲多し
定番曲と言えるのは相剋の家のみである。
相剋の家は必聴なので当然要チェックである。
しかしながらどの収録曲も良曲であり、つまりなかなかに良いアルバムと言える。
通して楽しめるため堪能すべし!
鈴木氏作詞作曲の曲が多い
特徴というわけではないかもしれないが、鈴木氏作詞作曲の曲が最近作に比べるとだいぶ多い。
- 鬼
- 月に彷徨う
- 終わらない演奏会
- 蛇性の淫
そんなわけで鈴木氏の詞が好きな方もまた要チェックと言える。
修羅囃子の収録曲紹介
ライブ定番度の目安
★★★:かなり聴ける!必修曲。
★★☆:ちょいちょい聴く!
★☆☆:レア気味。
☆☆☆:公認のレア曲
※筆者の感覚的な尺度なのでご了承いただきたい!
東洋の魔女
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:鈴木氏
こちらはバレーボールの歌というわけではない。
そしていきなりリフがかっこいい。
サビなんかはかなり重苦しく初っぱなからなかなかにへヴィな曲である。
どこか怪しげな言葉の羅列で魔女感を出す詞が新鮮。
鬼
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:鈴木氏
鈴木氏の曲が続く。
かの半島について歌った曲だとか。
(といったことを数年前のライブのMCにて鈴木氏より聴いた。そのライブの直前にかの国の指導者が逝去していたのである!)
ためのような一瞬テンポダウンする際の呻き声なんかがなんともカッコ良い。
愛の言葉を数えよう
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:和嶋氏
スネアで刻むリズムが心地いい曲である。
2016年のツアー「地獄の道化師」にて演奏されていたのが記憶に新しい。
人間椅子にしては非常に明るく前向き(語彙力が問われる…!)である。
月に彷徨う
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:鈴木氏
イントロで一瞬宇宙シリーズを彷彿とさせるうっすらとした浮遊感を感じる。
しかし束の間急降下する。そしてかなりホラー展開である。
ひたすらどんより立ち込めるような状態からテンポアップする様がカッコ良い。
月のセリフでうっすらとボーカルにかかるエフェクトも面白い。
野球野郎
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:後藤氏
後藤氏作曲・ボーカルによるストレートなハードロックである。
力強いリフほぼ一本で攻め立てつつユーモアのある詞と「バッター、アウト!」のコーラスが非常に良いのである。
おすすめ曲である。
最後の晩餐
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:和嶋氏
穏やかな終末を感じさせる一曲。
詞がですます調なのも面白い。
サビでホイッスルやらミュージカルソウのような変な音がたくさん入っているのもまた愉快な雰囲気が出る。
終わらない演奏会
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:鈴木氏
妙にハイスピードでややキーが高め。
リフも相まって焦燥感というか、妙な熱量が立ち込める。
すごくいやーな演奏会である。
そしておすすめ曲である。
王様の耳はロバの耳
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:鈴木氏
曲の入りで鈴木氏の曲だとわかるフレーズである。
しかし歌が始まってみるとどうにもダンサブルというかディスコっぽいのである。
それはギターフレーズに寄るところが大きいようである。
歌いかた、ボーカルの重ねかたも凝っている。
ワウのかかったアウトロも良い。
恐山
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:和嶋氏
美しいアコースティックギターの弾き語りの様に始まる。
徐々に音が厚くなる様は迫力がある。
あまりに余談だが、この曲が好きな筆者はその昔思い立ち恐山まで行ったことがある。
恐山に訪れる際のBGMに最適である。
蛇性の淫
ライブ定番度:★☆☆
ボーカル:鈴木氏
イントロのチョーキングが渋い。
シンプルなリフがカッコ良い。
蛇がぬらぬらな一曲。
ともすればエロい雰囲気なのだが、しかし蛇なので聴くひとによってはぞわぞわするかもしれない。
相剋の家
ライブ定番度:★★★
ボーカル:和嶋氏
大定番曲である。
人間椅子の再デビューの契機となった、かのOzzfest2013にて一曲目に演奏された曲でもある。
つまりかなりの自信作のはず。
音源で聴くとボーカルが少しねとっとしていて独特な響きに感じる。
なかなかに難解な詞が印象的である。
和嶋氏としては寺山修司のようなセンスと三上寛のセンスでもって臨んだ詞だと、ウェブロックマガジンのBEEASTのコラムにて語っている。
「相剋の家」、2番のBメロの一節──追憶とは破傷風の家出──これは、自分としては寺山修司のセンスで書いたのであった。3番は、むしろ三上寛のセンスであるかもしれない。
おわりに
ということで人間椅子・修羅囃子の紹介であった。
相剋の家はもちろん、その他の曲もどれも良いので是非通して楽しんでいただきたい。
筆者のオススメは以下である。
- 野球野郎
- 終わらない演奏会
- 東洋の魔女
是非各々好きな曲を見いだして楽しむべきであろう。
いやはや、それにしても修羅囃子、面白いものである。