加えて、都内のワンマンライブには2011年からほぼ欠かさず通っている筆者が、アルバムにおけるライブ定番曲も紹介する。
人間椅子の恐ろしくカッコ良い音楽に触れるきっかけになればと願ってやまない。
トリ
人間椅子を聴くべし vol.18「無限の住人」コンセプトアルバムにして人間椅子のアルバムそのものな6th!
無限の住人 収録曲
1996.09.17 Release
01. 晒し首
02. 無限の住人
03. 地獄
04. 蛮カラ一代記
05. 莫迦酔狂ひ
06. もっこの子守唄
07. 刀と鞘
08. 辻斬り小唄無宿編
09. 宇宙遊泳
10. 黒猫
無限の住人の特徴
人間椅子6枚目のスタジオアルバム。
かの人気漫画「無限の住人」の作者、沙村広明先生の企画・依頼により実現した一枚。
沙村先生はロック好きにして人間椅子好きである。他の短編集内で人間椅子のコネタを紛れ込ませたりしている。
この無限の住人はイメージアルバムであり、全体的に江戸や刀といった漫画に寄せた世界観が提示される。
しかしながら宇宙シリーズたる宇宙遊泳なんかも平気で並んでいる。
黒猫や地獄といったライブでも大定番の曲を擁するのも見逃せない。
無限の住人の収録曲紹介
01. 晒し首
鈴木氏による生首の歌。
生首視点なのが鈴木氏らしい。
そこに集まるカマキリやコオロギ。
相変わらずの視覚的にグッと来る詞である。
ラストの実に感情を揺さぶるギターソロが最高にかっこいい。
02. 無限の住人
無限の住人を題材にした曲。
前半は非常に美しいアコースティックギターのアルペジオが堪能できる。
またBメロにて和嶋氏の旋律に呼応する鈴木氏のベースもたまらん。
サビの後に和な音階を駆使したフレーズのハードロックな展開が待ち受けるのもドラマティックである。
ボーカルが変わって鈴木氏の小節の効いた歌がマッチする。
03. 地獄
地獄シリーズの先駆けにして至高の一曲。
その名も「地獄」である。
間奏の「時計」を表したパートは創意に富んでおり、和嶋氏のお家芸であるスライドギターの妙技がこれでもかと楽しめる。
そして鈴木氏の絶叫から雪崩れ込むラストの怒濤のソロは鳥肌もの。
人間椅子のライブに臨む方にとっては必修と言える名曲である。
ちなみに人間椅子倶楽部の集いにてボーカルチェンジされたこともある。
04. 蛮カラ一代記
何やら軍歌のように始まる曲。
ブルースハープの枯れた音色がよく合っている。
展開後は一転して高速ギターソロで駆け抜ける。
05. 莫迦酔狂ひ
これまた表現力がすごい一曲。
仕舞いにはしゃっくりがリズムを刻む二日酔い曲である。
ハードな悪夢をもたらす二日酔い状態と呑気な呑んだくれ状態が入り乱れる。
06. もっこの子守唄
よく登場する「もっこ」の子守唄。
静かな一曲である。
07. 刀と鞘
シングルカットしているという人間椅子にしては珍しい鈴木曲。
割りとエロい。
八重桜も乱れ咲きである。
08. 辻斬り小唄無宿編
イントロから目まぐるしい辻斬りソングである。
地獄のところでも紹介したファンクラブ限定ライブの一曲目でも久しぶりに披露されたのが記憶に新しく、また非常に良かったことをここに記す。
09. 宇宙遊泳
ラムちゃんが飛んできそうな始まり方に面食らう宇宙シリーズ。
無限の住人にまさかの宇宙シリーズといったところだが、それもまた人間椅子らしくて良いものである。
スペーシーな演奏を堪能すべし。
10. 黒猫
名曲にして定番曲。
へヴィだが、どことなく猫のごとく敏捷なイメージが感じられたりする。
そんな不穏なリフがカッコ良い。
そして猫の鳴き声のようなギターフレーズに驚かされる。
と言うことでこれまた必修曲である。
まとめ 無限の住人を聴くべし
沙村広明先生の漫画「無限の住人」のイメージアルバムながら確実に人間椅子の作品と仕上がっている。
ライブでの定番曲、地獄や黒猫を擁する名作である。
いやはやそれにしても無限の住人、面白いものである。