加えて、都内のワンマンライブには2011年からほぼ欠かさず通っている筆者が、アルバムにおけるライブ定番曲も紹介する。
人間椅子の恐ろしくカッコ良い音楽に触れるきっかけになればと願ってやまない。
トリ
人間椅子を聴くべし vol.19「羅生門」メンバーが2人になった4th!
羅生門 収録曲一覧
1993.10.21 Release
01. もっと光を!
02. 人間椅子倶楽部
03. なまけ者の人生
04. 埋葬蟲の唄
05. 青森ロック大臣
06. ナニャドヤラ
07. ブラウン管の花嫁
08. 憧れのアリラン
09. 羅生門
羅生門
羅生門の特徴
アルバムタイトルはご存知芥川龍之介の小説『羅生門』から。
本アルバムはブラック・サバスのトニー・アイオミにプロデュースを依頼したが話が流れてしまったという逸話がある。
また本作において正式メンバーは2名である。
前任ドラムス上館徳芳氏に代わり、後に正式加入することとなる後藤マスヒロ氏がサポート・メンバーとして参加している。
収録曲が9曲と少ない。
羅生門の収録曲紹介
01. もっと光を!
おすすめ曲である。
スピード感のある曲であり、荒々しいリフが良し。
なぜ!のコーラスは是非ライブで声をあげたい。
結構レア曲ではある。2018年のファンクラブ限定ライブでも演奏された。
02. 人間椅子倶楽部
おすすめ曲。
演奏する3名が順に歌うのがおもしろい。
筋肉少女帯の内田氏も語りで参加している。
曲名はファンクラブの名前にもなっている。
03. なまけ者の人生
どっしりと構えたような鈴木曲。
ギターの音が哀愁ただようイントロの盛り上がり方がにまずグッと来る。
ボーカルを重ねた力強いサビがなんとも心地よし。
04. 埋葬蟲の唄
気だるげなイントロで始まる和嶋氏と鈴木氏による作曲の一曲。
虫が蠢くようなフレーズが続く。
ギターとベースが呼応するパートから速度を上げてソロへ雪崩れ込む様は非常にスリリングである。聴き応えあり。
05. 青森ロック大臣
おすすめ曲。
青森が首都になるおかしな歌詞も爽快な演奏も最高である。
あおもーりがどことなくフランス語っぽいのもミソ。
06. ナニャドヤラ
ものすごく癖になる和嶋曲。
フェードインする珍しい曲。
スラッシュ盆踊りである。
ナニャドヤラとは青森南部から岩手と秋田辺りにかけてに伝わる盆踊りらしい。
07. ブラウン管の花嫁
へヴィなリフが心地よいほどである。
そんなリフにのせて歌われるのはいまやなくなりつつあるブラウン管にうつる花嫁への溢れる想いである。
08. 憧れのアリラン
変拍子のリフがかなりかっこいい。
ユニゾンで訥々と歌うパートも謎の迫力があり聴き応えあり。
曲が作られた当時のことはよくわからない筆者だが、題材的には恐らく今は演奏されなそうな一曲である。
09. 羅生門
おすすめ曲である。
文学を題材とした表題曲にして定番曲。
和嶋氏と鈴木氏による作曲である。
和な旋律を奏でるギターは美しく、また悠然としたリフは大変かっこいい。
7分の大作ではあるが聴きごたえ十分な名曲である。
おわりに
ということで羅生門の紹介であった。
曲数は少ないが創意に富んだ良曲ばかりである。
そしてもし当時トニー・アイオミにプロデュースされていたら、と思うと興味深い。
しかしそれでも今の歩みによってある今の人間椅子を応援できて良かったと思う。
結局のところ人間椅子の音楽は決して変わらず、それでいて色褪せないのである。
羅生門に限らないが、このブログで振り返るたびにそう言う思いが強まるのであった。
いやはや、それにしても羅生門、面白いものである。