加えて、都内のワンマンライブには2011年からほぼ欠かさず通っている筆者が、アルバムにおけるライブ定番曲も紹介する。
人間椅子の恐ろしくカッコ良い音楽に触れるきっかけになればと願ってやまない。
トリ
人間椅子を聴くべし「黄金の夜明け」
黄金の夜明け 収録曲一覧
1998.07.23 Release
01. 黄金の夜明け
02. 独裁者最後の夢
03. 平成朝ぼらけ
04. わ、ガンでねべが
05. 水没都市
06. 幸福のねじ
07. マンドラゴラの花
08. 素晴らしき日曜日
09. 審判の日
10. 無言電話
11. 狂気山脈
プログレッシブさを深耕する3rd!
タイトルはイギリスの秘密結社からとっているという3枚目のアルバム。
7分を超えるような複雑な大曲が多く、プログレッシブな趣の強めなアルバムになっている。
最近のライブでの定番!という曲はみられないが、筆者的にもかなりのオススメアルバムである。
ジャケットは後に怪人二十面相や踊る一寸法師のジャケットも手掛ける漫画家大越孝太郎氏による。
また初代ドラマーである上舘氏の参加した最後のアルバムでもある。
脱退に関しては「屈折くん」にて少し触れられている。
黄金の夜明け 収録曲紹介
黄金の夜明け
アルバムタイトルを冠した曲で幕開ける。
和を感じるギターフレーズとのたうつような鈴木氏のボーカル、そして和嶋氏の演説調の語り(漱石や歎異抄から引用しているらしい)が印象的な出だしである。
そこからボーカルが和嶋氏へとバトンタッチし美しい間奏へ。
ラストは和嶋氏のソロ。このソロからアウトロがかなり良いので何度でも聴くべし!
独裁者最後の夢
ロックンロールな一曲。
「独裁者最後の夢」と曲名を歌うのみのシンプルなサビは演奏もあいまって非常にしっくりときて心地よい。
平成朝ぼらけ
へヴィなリフで幕開ける和な趣の強い鈴木氏作詞作曲の曲。
ギターソロもちょっと狂気を感じて筆者はかなり好きである。
わ、ガンでねべが
大分不穏なタイトル。
浮き足だったリフが面白い。
詞にネイティブじゃなきゃわからない部分がまじっている。
水没都市
8分超えの大曲。
所謂アトランティスのような海底に沈んだ都市の歌である。
水底の圧倒的な静寂と恐怖すら感じさせる雄大な海のごとき音の表現力に驚くばかりである。
幸福のねじ
スラッシーなシングルカット曲。
目まぐるしいリフがかっこいい。
一転、展開してスローテンポに変わり現れる鈴木氏の「ネジ屋のおやじ」が最高である。
マンドラゴラの花
非常にどんよりとしたテンポの鈴木曲。
アンビエントな趣の間奏で混迷を極め、煮えきらないままにもとのフレーズに戻りじりじりとソロへうつる。
和嶋氏と思われるファルセットのコーラスが気持ち悪めでまた良い。
素晴らしき日曜日
清涼剤的に現れる和嶋氏のアコースティックギターによるインストナンバー。
審判の日
ゴリっとしたベースで始まる鈴木曲。
そしてそのまま繰り返されるリフにどことなく緊張感が宿る。
対してギターは非常に自由で聴き応え高し。
プログレッシブな間奏や鈴木氏の笑い声、ねちっとしたラストのギターソロも必聴。
無言電話
呼び出し音のようなギターが印象的な怪曲。
またもや7分オーバーである。
現代の狂気を感じられる。
しかしリフはどこか心地よい。
狂気山脈
現代の狂気に続いて超然とした狂気である。
アルバムラストはクトゥルフ神話をモチーフにした圧倒的な大曲。
これまた8分を超える。
静かに始まる曲だがその狂気を伴った雄大な情景を徐々に広げてゆく。
しかと堪能すべし。
おわりに
ということで人間椅子の3rdアルバム黄金の夜明けの紹介であった。
大曲祭の中にある人間椅子の真髄を味わうべし!
いやはや、それにしても黄金の夜明け、面白いものである。