加えて、都内のワンマンライブには2011年からほぼ欠かさず通っている筆者が、アルバムにおけるライブ定番曲も紹介する。
人間椅子の恐ろしくカッコ良い音楽に触れるきっかけになればと願ってやまない。
トリ
人間椅子を聴くべし「桜の森の満開の下」
桜の森の満開の下 収録曲一覧
1991.03.13 Release
01. 爆弾行進曲
02. 遺言状放送
03. 心の火事
04. 憂鬱時代
05. 夜叉ケ池
06. 東京ボンテージ
07. 盗人讃歌
08. 相撲の唄
09. 甲状腺上のマリア
10. 太陽黒点
桜の森の満開の下の特徴 勢いを増す2nd!
前作は前作で鈴木氏のこだわりの音質だったわけだが、今回は大きく音質が向上している。
アルバムタイトルは坂口安吾の同名小説「桜の森の満開の下」からきている。
ちなみにこのタイトルは前作にしてデビュー作「人間失格」のラストを飾る曲でもある。
この桜の森の満開の下CDを通して聴くと、前半4曲くらいは間髪いれず続いていく。
それらの各曲自体にもスピード感があるためなんとも慌ただしい。
シングルカットされている名曲夜叉ヶ池も収録されており要チェックである。
最近のライブでの定番曲はないが、心の火事は比較的演奏頻度高め。
夜叉ヶ池も2018のツアーにて演奏されている。
参考
人間椅子による“実演販売”の旅が終着迎える音楽ナタリー
筆者も最前線で観ていたが、この演奏は素晴らしかった。
桜の森の満開の下の収録曲紹介
爆弾行進曲
まず始めに耳に入るギターの枯れた音が美しい。
そこにうねるベースが重なるアルバム1曲目は勢い満点である。
リフが軽快に、かつ力強く奏でられる。
途中の軍歌っぽいパートにより緩急がつき面白い。
遺言状放送
おすすめ曲。
世紀末の狂想曲と言った詞が秀逸な二曲目。
和嶋氏のラジオ放送パートがすごすぎる。
コーラスの和嶋氏の声がなんとも若々しい。
あのウンモ星人が登場するのもこの曲である。
心の火事
慌ただしさのある3曲目。
なかなかスラッシュ感のあるギターである。
憂鬱時代
曲名通りどこか憂鬱な響きのある4曲目。
微妙な和嶋氏のコーラスが良い。
畳み掛けるように奏でられる1曲。
アコースティックなソロも非常に聴かせる。
夜叉ケ池
名曲夜叉ヶ池である。
人間椅子初のシングル曲でもある(欲しい)。
美しい三拍子のアルペジオからハードロックに展開する様がかっこよすぎる。
ライブではダブルネックギターが用いられる楽曲となっている。
2018年の全国ツアー「おどろ曼荼羅~人間椅子2018年春のワンマンツアー」の最中、和嶋氏はダブルネックギター用の弦を買いに行った先で出会ったギブソンのダブルネックギターを購入している。
筆者もそのツアーは観ていた。
それはもう非常に美しい音であった。
筆者はライブ会場のセッティング時にダブルネックのギターが置いてあるのを見つけると静かに歓喜する。
鈴木氏のデスマスクや微妙にエロい異邦人が出演しているMVも必見。
※公式のがなかったため「おどろ曼陀羅」のダイジェストを変わりに貼る次第である。0:10~夜叉ヶ池である。
東京ボンテージ
人間椅子初の一音半下げのチューニング曲である。
なかなか倒錯した趣の歌詞が実に良い…!
盗人讃歌
ゆるやかに始まる曲。
リフが非常に良い。
途中の慌ただしいソロが楽しげ。
そして聴かせるコーラスからのラストは哀愁に満ちて非常に聴かせる。
相撲の唄
鈴木氏渾身の相撲曲。
なんともプログレッシブながら歌詞が面白いのでそこに気付きにくい。
その昔は鈴木氏がラジオでこの曲が「人気がない」とぼやいていたそうな。
行司調のボーカルから、押し合う様子がコミカルに表現される。
ワウを駆使した行司っぽいギターソロも秀逸。
他では決して聴けない曲だろう。
甲状腺上のマリア
ギターのみの曲(途中シタールみたいな音が入るが)。
絶え間なく奏でられる美しい高速アルペジオに和嶋氏のボーカルが乗る。
太陽黒点
ラストはブラックサバスを想起させるへヴィーな鈴木曲。
ワウを用いたリフがより重く演出される。
ラストのギターソロも最高である。
おわりに
ということで人間椅子の2ndアルバム桜の森の満開の下の紹介であった。
勢いを増すデビュー2作目を堪能し、人間椅子の真髄を味わうべし!
いやはや、それにしても黄金の夜明け、面白いものである。