2019年12月13日の金曜日に、中野サンプラザホールにて、筆者が愛してやまないバンド・人間椅子がバンド生活三十年〜人間椅子三十周年記念ワンマンツアーファイナルを敢行した。
先立って販売されたベスト盤を網羅するかのような「ベストヒットメドレー」であり、また驚くべき情報も公開されたりと、ここに来て全く止まることを知らない人間椅子には驚かされるばかりであるが、
とにかく、ライブやその周辺の様子を紹介したい。
バンド生活三十年〜人間椅子三十周年記念ワンマンツアーファイナルを@中野サンプラザへ赴いた
バンド生活三十年〜人間椅子三十周年記念ワンマンツアーファイナルを@中野サンプラザのセットリスト
- 宇宙からの色 The Colour Out Of Space
- 羅生門 Rashomon
- 品川心中 Love Suiside At Shinagawa
- 芋虫 The Catapillar
- 愛のニルヴァーナ Love Nirvana
- 死神の饗宴 Feast Of The Reaper
- 悪夢の序章 The Preface Of The Nightmare
- 命売ります Life For Sale
- 無情のスキャット Heartless Scat
- 芳一受難 Hoichi’s Passion
- 深淵 The Abyss
- 地獄小僧 The Boy From Hell(仮)
- 陰獣 Beast In The Shadows
- 人面瘡 Human Faced Carbuncle
- 針の山 Hell’s Mountain Of Needles
アンコール
- 雪女 The Woman Of The Snow
- 地獄 Inferno
ダブルアンコール
- なまはげ Namahage
※英語タイトルは人間椅子名作選 三十周年記念ベスト盤より引用
中野サンプラザでのツアーファイナル終了❗️
そして本公演は、『映画』になります🎞お楽しみに。
本日のセットリストは、#spotify にてプレイリスト公開‼️https://t.co/wLiITlXdrt pic.twitter.com/sF70dLcc1A
— NINGEN ISU(人間椅子)Official (@ningenisu_staff) December 13, 2019
それを見れば分かる通り、地獄小僧以外は人間椅子名作選収録曲ということになる。
ベスト盤から入った人にもわかりやすい、ライブ自体も親切設計なのである。
さて、以下ライブの前の余計な話が続く。
余計な話 筆者チケットを予約し忘れる
いきなり余計な話で恐縮である。
当日は当然のように有給を取得していた筆者は先行物販から意気込んで赴いた次第である。
確かにそんな致命的なミスもあったのだが、どうにかチケットは1週間前に確保した。
いやはや、危うく一生悔やむところだった。
そんなことよりソールドアウト、おめでとうございます!
先行物販に挑む 〜撮影スポットもあり!〜
とは言え平日だしなぁ、などとのんきに先行物販10分前に会場に到着した筆者だが、まったくもって甘かった。
すでに120人ほど列をなしていた。
入ってからわかったが、サンプラザ内部の物販会場はグッズの会計が2名(+CDや書籍が別途会計あり)で、更に気になる撮影スポットもありなかなか前に進まない構造になっている。
そんなわけで無事グッズをゲットしたときには17時ころになっていたのである(ちなみに外で待機中、かなり寒かった)。
ちなみに内部に入ってからの待機列にて、送られた花が見受けられた。
そうして中央の階段を上がったところに物販コーナーが現れる。
ちなみに物販を終えた人にインタビューをされているカメラマンがいらっしゃった。
「なんだろうか?」などと思っていたわけだが、その答えはアンコールのときにわかることになる。
この「30」の来歴を紐解く場合に参考になるかもしれない関連記事である。
さらに「30」のそばにはかのスタチューが!
胸像とメンバー! pic.twitter.com/nkZOnrH596
— NINGEN ISU(人間椅子)Official (@ningenisu_staff) December 13, 2019
肝心のツアーグッズだが、結構盛りだくさん買ってしまった。
本日 #人間椅子 #中野サンプラザホール公演 の物販ですが、一部売り切れの商品やサイズがございます。申し訳ございません。ご購入ご希望の方はお早目にご購入願います。よろしくお願いします。 pic.twitter.com/954UKvlOGM
— NINGEN ISU(人間椅子)Official (@ningenisu_staff) December 13, 2019
上記の番号で言う、1、2、4、5、8を購入。
また余談だが、物販待機中に人間椅子グッズ以外でのコアチョコ装備の方がちらほらと見受けられた。
物販後は時間をつぶすべくふらふらしていたわけである。
開場して待機 〜こぼれ話が耳に入る…!〜
うすうす気づいていたが2階席であった。
さて、開場をゆっくり座って待てるのはやはり快適である。
ゆっくり待っていた筆者だが、ふと聴こえてきたのは同じ列のお客さんとその前の席のお客さんの会話である。
なんと中学と高校で和嶋氏か鈴木氏とクラスメイトだというお方数名が「初めてライブに来てみた」、とお話されていたのだ。
見知らぬ前の席のお客さんに、普段の人間椅子のライブの様子やこれまでの人間椅子の活躍を訪ねてみた、という構図である。
前の席の方も人間椅子のこれまでの軌跡や活躍を熱くお話されていた。
なんかすごく良かった。
というやり取りに聞き耳を立てていた筆者である(本当にすいません)。
その方々はメンバーにはライブへ行くことを特に伝えてはいなかったそうだが、また是非観に来てもらいたい、などと余計なことを感じる筆者であった。
そんなこんなでライブが始まる。
開演
オープニングSEとしてはすでにお馴染みとなった新青年まえがきが鳴り響く。
なにやら恭しい趣で登場したメンバーである。
というのも和嶋氏は黒い紋付袴(4〜5年前に用意していたという!)。
ノブ氏も黒い鯉口シャツでその背中には「人間椅子」刺繍が入っている(そしてすぐ肌色になる)。
鈴木氏はいつもどおりの黒い法衣。
3人揃って黒ずくめである。
なにやらいつもとは違うぞ、という意気込みを衣装から勝手に感じ取る筆者であった。
そして1曲目は宇宙からの色。
二十五周年記念ベスト盤である「現世は夢」にて収録されたベスト盤のために作られた当時の新曲であった。
あれから早くも5年。
確実に積み上げてきた5年を、そして30年へとしかと繋いだ様を見せてくる宇宙からの色に筆者は早くも勝手に感動して無駄に潤んだりした。
ともかく終止そんな感動がヤマないライブだったのだ。
続く羅生門ではイントロで和嶋氏がめずらしくミスするが、どうやら全員緊張していたようである。
(その緊張にもいつもとは違うわけがあったのかもしれない…!)
そしてこれが鈴木氏とノブ氏の緊張を和らげ、和嶋氏自身もふっきれたそうな。
「ヒット曲はないけどヒットメドレーをやります!」とのMCをはさみ相変わらず和むのだが、演奏も相変わらずの凄まじさであった。
「会場が広い」ネタも大規模な開場ではおなじみとなりつつあるが、このネタは是非何度でも聴きたいとも思う。
続いては海外でのプレイも期待される品川心中や、美しくも悲しい芋虫など、名曲が立て続けに演奏される。
ちなみに英語のタイトルの話題もあった。品川心中はラヴ・スーサイド・アット・シナガワ、芋虫はザ・キャタピラーである。
またベースではボードを使わないのがかっこいいとしてきた鈴木氏であるが、使用頻度が増えたためついに導入することになったそうな。
ただし和嶋氏のボードに和嶋氏のエフェクターを譲り受けたものだとか。
ちなみにこの日の和嶋氏のテルミンは芋虫のみでの使用であった。
ライブだととんでもなく長いブルースな香り漂うソロの後に入る音がまさしくテルミン向けなのである。
そしてこの日は当然新曲も披露された。
ベスト盤のために作られたラヴ・ニルヴァーナこと愛のニルヴァーナ、そして尿路結石の苦痛が生み出しと言える悪夢の序章である。
悪夢の序章に関しては、「いいことばっかだったらレゲエになってたかもしれない」などと鈴木氏が話しており、まさしく怪我の功名であろう。
超絶ヘヴィな死神の饗宴をはさみつつ新曲2曲を熱演した。
またアルバム初収録を飾った命売りますでは相変わらずの激しさでもってやはり首を振りたくなる。
また海外でのツアーについても触れられ、来年からは海外での活動も増えることを和嶋氏が示唆していた。
その流れで、海外で大好評となった無情のスキャットが披露される。
ちなみに執筆時点(2019年12月14日時点)で、すでにMVの再生数は336万を超え、コメント数も10000を超えている。
海外3連日でのツアーを控え、あれこれ思いを巡らすメンバーであるが、鈴木氏に関しては衣装も懸念事項なようである。
そんなわけで選択できなかったりを考慮し、新衣装購入して3つ持っていくことも検討しているそうだ。
そして長年使っている現役の衣装については「あげません」とのことである。
芳一のように般若心経で敷き詰める目論見があるとか。
ということで芳一受難も筆者としては大変うれしい。
さらには個人的に是非海外でもやってほしい深淵、唯一のベストアルバム未収録にしてアニキ曲・地獄小僧と続きラストスパートは陰獣、人面瘡、そしてやはり最後に針の山と最初期の超傑作が怒涛の勢いで披露され本編終了である。
感動したのは針の山にていわゆる特効と呼ばれる針のごとき銀のテープが一斉のどかんと発射されたところである。
流石に二階までは届かなかったものの大迫力ながら、人間椅子らしいアナログな演出がとても良かった。
最後の最後にもう一発発射され、大団円の本編終了である。
ちなみにこの日は鈴木氏も和嶋氏に合わせて歯ギターならぬ歯ベースしていたりもした。
アンコールにおいては、その特効を今後もできるよう大きい会場でのライブをやる宣言も飛び出し、さらに嬉しい。
吹雪を感じさせる雪女、そして超名曲・地獄を披露して再びステージを去る。
そして最後の最後にダブルアンコールである。
ここで驚くべき発表があった。
なんとこのライブが「映画化」されるというのである。
いつになくカメラも多いし、物販で見かけた謎のインタビューがあったりと、つまりはこういうことだったのである。
映像化は期待していたが想像のさらに上を見せつけてくる人間椅子である。
続報を待ちたいところである。
そして最後の最後はなまはげである。
迫りくるイントロから寒々しい雪の東北を感じるリフ、そして孤高のギターソロとすごすぎる曲であることを何度でも思い知るばかりである。
ノブ氏の全力のドラ乱打も最高の轟音であった。
「30年間どうもありがとう、これからもよろしく」と最後に言っていた鈴木氏にもグッと来るものがあった。
最後には3人手を繋いでわちゃわちゃといつものお辞儀を各方面にしてステージをあとにした三人を見送り、筆者は会場をあとにしたのである。
それにしても、本当に最高のライブであった。
当日の様子がよりわかるライブレポート記事もチェックすべきだろう
ライブ写真も掲載されているネット上の記事のリンクを貼っておく。
まずはBARKSの速報である。
参考
【ライブレポート】映画化決定!人間椅子、初の中野サンプラザがソールドアウトBARKS
そして音楽ナタリーはこちら。
参考
人間椅子が満員の中野サンプラザで30周年公演、無数の銀テープが観客を襲う音楽ナタリー
ついでにめでたいので著名人の祝いの言葉集のリンクも掲載させていただく。
参考
人間椅子の音楽に魅了された33人のアンケート音楽ナタリー
ちなみに胸像はナタリーストアからの発売が予定されているので要チェックと言える。
参考
人間椅子が30周年を記念して胸像を制作、迫力ある姿を細部まで再現音楽ナタリー
おわりに
サンプラザの2階から降りると海外の方が、先程見たインタビュアーの方にインタビューされていた。
きっと映画で使われるに違いない。
それにしても、つぎつぎに精力的な展開を見せてくれる人間椅子の勢いには本当に驚かされるばかりである。
来年もまた人間椅子のライブに行けるだけ行こうと改めて思うのであった。
いやはや、それにしても人間椅子、最高のバンドである。