そんな方々へ、つまみ食い的にメタルを愛好する筆者が好きなアルバムを脈絡なく紹介させていただく。メタルにあまり馴染みのない方々にとって、気軽な入り口となれば幸いである。
筆者
目次
五人一首「死人贊歌」
- 終焉
- そして無に帰す
- 傀儡の造形
- 毒薬と再生
- 然るべき闇夜へ
- 呵責
- 弔いの月に啼く
相変わらずの凄まじい名盤
2020/12/9 に disk union BTH レーベルより全世界発売した五人一首3rdアルバム「死人贊歌」がすごい、という話である。
相変わらず7分超の大作が連なり、そしてそれにまったく飽きることはなく、むしろその圧巻の世界に引き込まれるばかり。
ときに美しく、ときに打ち付けるようなピアノと、激しく混沌を織りなしていくギター、その屋台骨となるリズム隊もスキがなく、ボーカルはクリーンからアグレッシブな声まで素晴らしい表現力に富む。
そして妖しく響く日本語詞がさらに混沌と虚無を同居させた世界観を深めるのである。
とまあ五人一首のアルバム紹介するたびに同じこと書いてるわけだが、とどのつまりどのアルバムもホントに良いので聴いてみて欲しい。
死者にまつわる曲が集まる
今作は死者をテーマとした曲が連なっている。
その詞世界のもととなった小説や漫画作品がブックレットの歌詞カードに記されているので、参照してみるのも面白いだろう。
ライナーノーツも濃い
付属されているライナーノーツも分量があり読み応えあり。バンドの歴史と、セカンドアルバム以降の沈黙の時間を振り返る内容となっている。
かなり前からライブにて演奏される曲もこの度収録されているようだ。
五人一首についてよりよく知りたい場合は是非CDを手に取るべきだろう。
収録曲
#1 終焉はタイトルとは逆説的な立ち位置に配されたイントロ。美しくも悲しげなピアノでアルバムの幕を開けるインストナンバーである。
どうしてか、この後に続く混沌と轟音の淵に立たされるかのような旋律なのである。
終焉からなだれ込むように続くのは約9分の#2 そして無に帰す。
冒頭の小気味よくも不穏な変拍子リフから高まる。
クライマックスへの盛り上がりにグッとくる。
#3 傀儡の造形は転がり落ちるようなピアノの旋律が特に印象的な7:37の曲。
4:30以降の怒涛の展開は圧巻。
ギターソロもカッコよい。
妖しげに始まるのは9:38の#4 毒薬と再生。
中盤のクリーンなパートが印象的で、静と動の対比が素晴らしい。
10:54とさらに長くなる#5 然るべき闇夜へではイントロの音のカッコ良さから一気に引き込まれ、6:00あたりの凄まじさにビビる。
#6 呵責は珍しく(?)5分未満の曲である。
冒頭から激しく展開し、目まぐるしい間奏がたまらない。
ラストナンバーは#7 弔いの月が啼く。
16:42という圧巻の長大曲。
特に13:40あたりからの最終盤の展開、そしてギターソロの流れが最高にかっこよい。
合わせて読みたいインタビュー記事
参考
五人一首、15年ぶりのフル・アルバム『死人贊歌』は「じっくり聴き込んで頂ける作品になった」YOUNG GUITAR
ギタリストふーみん氏とボーカル・ギターのあの字氏へのインタビューである。
15年かかった理由から、使用機材に関する内容が語られている。
おわりに
ということで五人一首3rdアルバム「死人贊歌」がおすすめ!という話であった。
是非五人一首の凄まじく特異な、無二のすばらしい音楽に触れてみていただきたい。