三池崇史監督のVシネ『極道恐怖大劇場 牛頭』を観た筆者である。
カンヌ国際映画祭出品してるやつ!
まったくもってぶっ飛んだ作品である。
ありゃなんだったんだ…(2回観た)
場合によってはおすすめの珍映画であった。
そんなわけであらすじやら感想やらを紹介してみたい。
※以下、映画の内容に触れているのでご注意ください。
『極道恐怖大劇場 牛頭』のおおまかなあらすじ(説明困難)
字廻組の構成員・南(曽根秀樹)は、最近言動がおかしくなった兄貴分・尾崎(哀川翔)を名古屋の『ヤクザ処分場』に連れて行くことになる。
いやどんな話!?
まったくである。とりあえずぶっ飛んだ映画だということは念頭に置いておくべきだろう
で、南の運転で名古屋へ向かう道中、うっかり尾崎が死んでしまう。
そのまま処分場へ向かう南だったが、立ち寄った喫茶店で無駄にいろいろあり、その間に車に残してきた尾崎の遺体が消失する。
そして南の身の回りに不可解すぎる珍事がじわじわと立ち込め始めるのであった。
怪しすぎる協力者。
姉弟が切り盛りする不気味すぎる宿。
とんちきな目撃者達。
現れる地獄の番人『牛頭』。
そしていよいよ急加速する珍事からのまた珍事。
まったくもっておかしな話である。
そんな感じ!
どんな感じ!?
総じて文字にしづらいのであった…。
『極道恐怖大劇場 牛頭』の感想
やはりまったくもっておかしな話である。
おかしすぎて面白かった。
ぶっ飛びすぎているがゆえに、何やら抱え込んでいた些事がどうでも良くなる効能があるとすら思われる。
そんくらいおかしな話なのである。
とにかく呆気にとられたい人はぜひ見るべきだろう。
観れば冒頭から確実に呆気にとられるはずである。
喫茶店で組の朝会やるのはどうなの!?
脚本家の佐藤佐吉氏が実際に遭遇した光景だとか。遭遇するのマジでやだよな。
で、『ヤクザ犬』からの、血がだらり、からのタイトル、までの怒涛(?)の展開はすさまじい。
この冒頭の数分でもう置きざりにされるし、そのまま周回遅れになってうしろからどつかれるような衝撃があるゾ
終始このペースだったら持たないかもしれないが、ペースに緩急をつけつつも基本的にはずっと変な感じである(それが2時間強あり、ほんのり長い気もしなくもない)。
とは言えラストはこれ以上なく凄まじい素っ頓狂さで急速に終結する物語のおかしな後味、それを反芻させてくる怪エンディングテーマ『牛頭の唄』も含め、観たあとによくわからない何かが胸いっぱいになるのであった。
ほかでは体験できない味わいなことは確かであり、そんなわけで意外なほどおすすめである。
おわりに
ということで『極道恐怖大劇場 牛頭』を観た!という話であった。
ちなみに2024年6月、ついに正式日本劇場初公開されたそうな
初の35㍉プリントでの上映ということで映像が非常にキレイだったとのこと。大変観てみたかったわけだが知ったのが上映終了後だったため観れていなかったのだが、このたびふとDVDを買ってみた次第である。
DVDには三池監督と脚本の佐藤氏によるコメンタリーもついており、こちらも大変興味深い。
また『牛頭の唄』(発売されたCDでは『牛頭のうた』となっている)も収録されており、これまたおすすめポイントと言える。
牛頭、牛頭、牛頭〜♪
牛頭、牛頭、牛頭〜♪
そんなわけで得体のしれないエネルギーに満ちた怪作『極道恐怖大劇場 牛頭』、興味が湧いた方は是非観るべきだろう。
細かなストレスが溜まってきときに大変効きそうな一作である。