【映画】『憐れみの3章』を観た!【ヨルゴス・ランティモス】

ヨルゴス・ランティモス監督の『憐れみの3章』を観てきた筆者である。

筆者
筆者

たまらんかった…!

邦題には『3章』とあるのだが、中編3本で構成された映画となっている。

そして各章にて同じ役者が違う役を演じている。

どれもこれも珍で変な話である。

そんなわけで感想なんかを書き記しておきたい。

※以下、映画の内容に触れているのでご注意ください。

『憐れみの3章』のおおまかなあらすじとか

CHAPTER 1. 『R.M.F.の死』

社員のすべてをコントロールする社長の言いなりになっていた会社員の話。

ロバート(ジェシー・プレモンス)はある日車で別の車と衝突事故を起こす。しかし、残念ながら軽症であった。ロバート社長レイモンド(ウィレム・デフォー)にあらゆる行動・生活を把握されていた。もっと太れと食べるものもすべて管理され、子どもは作るなとなんと過去に妻サラ(ホン・チャウ)が流産してしまったのもレイモンドの指示によるものであった。病院から戻ったロバートはレイモンドへ謝罪するも、流石に人の命の責任を追うことはできないと初めて抵抗を示し、レイモンドからは「もうお前は自由だ」絶交される。ロバートのもとから、妻サラが去り、あるものがなくなる。自由になっても何もうまくいかず、レイモンドからは完全に拒絶され八方塞がりの中、かつてレイモンドに指示された自傷行為からの女性との交流を図る手法にてリタ(エマ・ストーン)と親しくなるのだが…。

CHAPTER 2. 『R.M.F.は飛ぶ』

海難事故から奇跡的に生還した妻が偽物と入れ替わっているのでは?と脅迫的に恐れる警察官の話。

警察官ダニエル(ジェシー・プレモンス)は海洋調査にて行方不明になった妻リズ(エマ・ストーン)のことで精神的に不安定になっていた。同僚で親友のニール(ママドゥ・アティエ)と妻マーサ(マーガレット・クアリー)に自宅でのディナーで慰められるも感極まってしまう。

それからしばらくしてリズが発見され二人は再開するのだが、どうにもリズがおかしい。靴のサイズが合わなくなっており、嫌いだったチョコケーキをむしゃむしゃ食う。ダニエルは完全にリズが偽物だと思い始め、仕事での言動もおかしくなり、次第に家でものを食べなくなり心身を崩していく。しばらく休職する運びとなり、ある日久しぶりに食欲がある風のダニエルは、なにか作ろうとするリズにとんでもない要求をするのだが、リズは決死の思い出その度肝を抜かざるを得ない要求に応えていき…。

CHAPTER 3. 『R.M.F.サンドイッチを食べる』

カルト教団のために家族を捨ててある人物を探し続ける女の話。

エミリー(エマ・ストーン)とアンドリュー(ジェシー・プレモンス)はある女性アナ(ハンター・シェイファー)を遺体安置所につれていき死者蘇生の力を試させるも何も起きなかった。彼らはオミ(ウィレム・デフォー)とアカ(ホン・チャウ)がリーダーを務める教団の指示にて奇跡的な力を持つ人を探していた。状況報告にもどりつつ、二人は彼らと肉体関係を持つ。オミとアカは清浄な存在とされており、それ以外の人との関係は不浄となるそうな。

限りなく聖なる存在の条件に近い女性レベッカを発見するのだが、そんななかエミリーは捨てた家族である元夫ジョセフと娘の家に招待され、ジョセフの策略により一夜をともにしてしまい、教団を追放される。

なんとか教団に戻ろうとエミリーはレベッカに取り入り、連れ出すことに成功し、奇跡の力を死体安置所にて確認する。意気揚々と教団へ連れて行こうとするのだが…。

『憐れみの3章』のほんわか感想

珍妙で危ない魅力たっぷりの中編3編が勢いよく連続で流し込まれる、そんな感覚が個人的にはたまらない作品であった。

テーマ曲のように冒頭とラストで使われるEurythmicsSweet Dreams (Are Made of This)という曲がこの映画の中身を物語っている。

だいたいこんな感じの歌詞を含む曲である↓。

『あなたを利用しようとする人もいればあなたに利用されたい人もいる、あなたを蔑みたい人もいればあなたに蔑まされたい人もいる』

トリ
トリ

パンフレットにも歌詞が掲載されてたね

そんな感じに、危うい支配・依存の関係が毒気たっぷりなユーモアを交えて描かれるわけである。

ヨルゴス・ランティモス作品を見たことがなかった筆者は、『憐れみの3章』鑑賞前に予習として『ロブスター』だけはチェックしておいたわけだが、それに通じる面白さを端々に感じた。

ほかにもあの謎のキャラ『R.M.F.』だったり、パンフレットでも触れられていた監督のルーツでもあるギリシャ的な要素(三部作の構成とか、同じ役者が違う役をしたり)だったり、掘り下げられるポイントが多そうでまた観たくなる作品なのであった。

おわりに

ということで、『憐れみの3章』を観た!という話である。

どの章も変な魅力がある映画である。変な映画を観たい人には大変おすすめ。

トリ
トリ

とんがってたな〜

筆者
筆者

個人的にかなり好きな作品であった…!監督の作品はぜひ他のも観てみたいところ

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