【映画】『侍タイムスリッパー』を観た!【おもしろすぎ】

侍タイムトリッパーという映画を観てきた筆者である。

トリ
トリ

ん?侍?タイムスリップもの?

筆者
筆者

うむ。まさにそんな感じである。

タイトルだけ聴く「どこかにありそうだな〜」などと観るのを躊躇しそうである。

しかし聴くところによると当初1館でのみ上映していたインディーズ映画だったのだが、ものすごいスピードで100館以上での上映が決まった作品なのだという。

で、気になって調べたら何やら面白そうで、近所で上映が開始したので観てみたわけだ。

これが破格に面白かった。

面白い場面ではお客さんが声を出して笑っていたし、ラストへのシリアスな展開には息を呑む思いであった(音を出して息を呑んだ筆者である)。

とにかく素晴らしい映画体験だったのだ。

ということで感想なんかを書き記しておきたい。

筆者
筆者

監督は安田淳一氏!

※以下、映画の内容に触れているのでご注意ください。

『侍タイムスリッパー』のおおまかなあらすじ

幕末、京の夜。

会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)は家老直々の密命により、長州藩士を討つべく暗闇に潜んでいた。

標的を見つけ、互いに名乗り、山形彦九郎(庄野﨑謙)なる長州藩士と相対する。

急な大雨のなか二人は刀を交え、互いの力量をひしと感じる。

次の瞬間、新左衛門は凄まじい雷光に包まれていた。

目を覚ました新左衛門は見慣れぬ街にいた。

街行く人の話から、そこは江戸であるようだが、話しかけてみると町人たちには避けられたり、会話が成立しない。

ふと見れば町娘が悪漢に絡まれており、それを救ったのが心配無用ノ介(田村ツトム)、なる人物であった。

ふと気づくとさっき避けられた町人がまた同じように歩いており、同じように町娘が悪漢に絡まれ、同じように心配無用ノ介が現れる。

「なんとしつこい奴ら」、と新左衛門は心配無用ノ介に助太刀すべく声をあげ刀を抜く。

するとなにやらすごい剣幕で現れた「異国の服装」の男に怒られるのであった。

構えていた真剣を「台本」で跳ね除けられる。

そして「助監督」の山本優子(沙倉ゆうの)に「撮影場所を間違えている」と告げられる。

そう、新左衛門がいたのは現代の京都、時代劇の撮影所だったのである。

撮影所を彷徨っているうちに頭を打って昏倒してしまった新左衛門は、通りがかった優子によって病院に運ばれていた。

病室から抜け出した新左衛門は現代の京都の街を彷徨い、たまたま自分のいた時代が140年も前に終えていることを知り絶望する。

そして山形と相まみえた寺を見つけ、ちょうど降ってきた大雨と雷鳴のもと、元の時代に戻せと一人天に向かい叫ぶのであった。

翌朝、新左衛門は寺の前で倒れていた。そこを寺の住職(福田善晴)に助けられる。

寺には優子もいた。寺は撮影所のそばであり、多くの作品を掛け持ちする助監督故にその寺と連絡をとって何度となく撮影に使わせてもらっている関係であるという。新左衛門を役者だと思いこんだ住職が連絡したところ、病室から消えた新左衛門を心配していた優子は飛んできたのだ。そしてたまたま頭を打っていたことで新左衛門は記憶喪失ということになってしまった。

その後、なんだかんだと寺の居候になり、その中で磐梯山の雪のごとく美しいあまりにうまい握り飯に出会い、ショートケーキという高貴すぎる菓子を誰もが食せる時代に感涙し、テレビの中の時代劇の虜となる。

ある日、寺での撮影が急に必要となった現場にて、斬られ役の一人が体調を崩してしまう。

門前で掃除をしていた常時リアル髷の寺の居候・新左衛門は、急遽代役を務めることになってしまうのだ。

そこで出会った殺陣師関本(峰蘭太郎)に殺陣を評価された新左衛門は、すべてを失った自分にできる唯一の仕事とみて、関本のもとに入門し「斬られ役」として第二の人生を歩み始める。

そして現代に順応しつつあった新左衛門は、10年前に時代劇を離れた名俳優・風見恭一郎(冨家ノリマサ)が今新たに作る時代劇の準主演に抜擢されるのだが…

筆者
筆者

そんな感じ!

『侍タイムスリッパー』の感想

とにかく面白かった。

まず話が面白く、各キャストの演技も素晴らしい。

ラストの立ち合いには震えるものがあった。

今どきあまり観ない気がするカメラを据え置いての殺陣の画は緊張感にまみれており、立ち合ってからのしびれるほどの間には戦慄した。

筆者
筆者

帰り道、電車内で思い返してこみ上げてきたし、ラーメン屋に寄ってから歩いて帰っててまた諸々こみ上げてきた。まじでよかったわ〜

山口馬木也氏が素晴らしすぎる。新左衛門が本物の侍にしか見えないのだ。

あるシーンの真剣での立ち合いは本当に真剣を交えていたかのようなものすごい迫力である。

もともと時代劇で長く活動してきたキャストらの殺陣は見応えがあり、あまり時代劇に触れてこなかった筆者でもついつい見入ってしまう。

それでいてコメディとして面白いシーンでは思わず声が出てしまう。

筆者
筆者

音使いがまた絶妙だったな〜

ただ面白さの背後にある、新左衛門がガチの侍であるという部分からくるある種の重みに、なにやら妙に泣きそうになっている自分もいた。それくらい新左衛門の侍っぷりがたまらないのである。

そんなわけで、面白くてもなぜかこみあげるものがあったし、ラストもまた新左衛門達が侍過ぎるがゆえに心揺さぶられて鼻をすすりながら見守っていた次第である。

筆者
筆者

エンドロールで拍手が上がった劇場もあったみたいだけど、まじでその気持がわかる映画だったゾ!

この映画の面白さの一つの大きな要素として、脚本の面白さがあるだろう。

侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップするだけでも「どうなんの!?」といったところである。
さらに後半明らかになる衝撃的な事実や、新左衛門が知ってしまう新事実(=過去)とそのことからくる決意の侍っぷり、圧倒的なクライマックスとなる立ち合いへの流れにがんがんに心揺さぶられる脚本である。おまけでラストのラストに、もしかしてそうなる?と思ったらやっぱりそうなる期待通りのおかしみもたまらない後味である。

メインキャストは揃って、出演にあたって「脚本が面白いと思った」旨をコメントしているのもうなずける。

トリ
トリ

公式サイトのイントロダクション見ただけでも面白そうだもん。

ってかこの映画インディーズなんだな!

驚くべきことにこの時代劇要素も持ち合わせた作品が自主映画なのである。

自主映画で時代劇が可能なのか!?といったところだが、監督の安田淳一氏はそれをやってのけた。

コロナもあり資金繰りがまずたいへんだったそうだが、これまた脚本の面白さゆえに、東映京都撮影所が救いの手を差し伸べたのだ。

そんなこんなで10名ほどのロケ隊により撮影が敢行されたという。

ちなみに監督は脚本・撮影・証明・編集やらなにやら一人で何役もこなしていたそうな。

筆者
筆者

監督はもともとカメラマンだったから撮影機材をいろいろと保有してたみたいだな(初号完成時に預貯金が7000円になってたらしいが…)

ちなみに筆者が鑑賞した時点では監督はパンフレットを絶賛作成中とのこと(良いパンフレットを作るべく入念に進めているそうだが、一方で舞台挨拶などが連日次々に入っておりかなりお忙しい模様。筆者としては是非欲しいので応援している所存である。パンフレットが完成したらまた映画館に行きたい)。

またヒロイン優子役を演じた沙倉氏は劇中で助監督役だったが、撮影においても助監督・製作・小道具などのスタッフとして活躍していた模様。

トリ
トリ

そんなことある!?ってくらいすごい体制だな!

そんな背景の逸話からも、この映画のもつ熱量が感じられる。

筆者としては、この映画の素晴らしさを大いに感じつつ、映画館で観ていたお客さんの空気感も含めてなにやら大変幸せな時間だったと、感無量で帰ったのであった。

筆者
筆者

おすすめ!是非観ていただきたい!

おわりに

ということで『侍タイムスリッパー』を観た!という話であった。

いやはや、本当に面白い作品である。

筆者が行った映画館では、侍タイムスリッパーのパンフレットだけではなく、チラシやポスターの類も心配になるほど一切なかった。それほどに急ピッチで上映館が拡大したのを感じたのであった。

トリ
トリ

体制的にも大変そうだもんな〜頑張ってほしい…!

筆者
筆者

折を見てまた映画館行こ〜っと

そんなわけで、この夏の終わりに大変おすすめな映画である。

追記 2回目を観てきた&パンフレット情報解禁!

9月末になり2回目を観てきた筆者である。

今回は『ULTIRA』なるデカスクリーンで上映していたイオンシネマにて鑑賞してきた。

やはりでかいスクリーンはテンションが上がるし、侍タイムスリッパーはやはりいい作品であった。

今回もお客さんが大いに笑い楽しんでいるのが感じられるその雰囲気まで含め、改めて良いと実感した次第である。

そしていよいよ安田監督よりパンフレット発売の告知がなされた。

これは是非入手したいところ…!

追記 パンフレットを入手した

ついに発売…!最初に観た近所の映画館にて入手した。

いよいよ発売された侍タイムスリッパーのパンフレットを入手した。

かなりのテキスト量であり、読み応えがものすごい。

ハマった人は是非入手して読むべき一冊となっている。

筆者
筆者

一部劇場での入荷が遅れているっぽいけど、ファンは是非読んでおきたいパンフレットである…!

おまけ チラシ

チラシ表。
チラシ裏。

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