映画館やサブスクで鑑賞した映画を記録する記事である。
今回もU-NEXTの無料期間を継続中なので色々視聴している。
最近見た映画【2025年1月 その②】
【U-NEXT】サスペリアPART2
ダリオ・アルジェント監督によるミステリー映画。最高であった。
テレパスの女性ヘルガによる心霊学会での講演にて、彼女は聴講者の中に殺人者がいることに気づき、薄暗い客席に警告する。そしてその夜、彼女は何者かに殺害されてしまう。アメリカ人ピアニストのマークは、アル中の友人カルロとの雑談中にたまたまヘルガ殺害の現場を建物の外から目撃していた。彼が現場に駆けつけると、ヘルガが息絶えており、窓の外を見下ろすと走り去る人影があった。マークは自ら事件を調べ始める、という物語である。
イタリアのプログレ・バンドゴブリンによる妖しくもスリリングなテーマ曲がとにかく素晴らしく要所でかかるたびに高揚感がもたらされる。
画も音楽も良すぎてまた観たくなる映画だった!
ちなみに邦題のせいでややこしくなっているが、あとに作られた『サスペリア』が日本でヒットしてそれにあやかり、先に作られていた原題『Profondo rosso』を『サスペリアPART2』としてしまったという。両作品は内容的には無関係。
【U-NEXT】聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
2017年の居心地悪すぎヨルゴス・ランティモス作品。
かつて酔って手術をして患者を殺してしまった外科医が、罪悪感からその息子と交流を深めていたところ『バランス』をとらなくてはと迫られ、家族を巻き込んだ恐ろしすぎる状況に持ち込まれてしまう。
冒頭から強すぎる画の力に引き込まれる怪作。いや~なムード満点だがおすすめ。
高校生役のバリー・コーガン、気まずすぎ…!
【U-NEXT】スケアクロウ
973年の映画。ジーン・ハックマン扮する暴力事件で6年刑務所にいたしかめっ面のマックスと、アル・パチーノ扮する交際相手が妊娠したままに放浪して5年間の船乗り生活から足を洗った男フランシスが、路上で意気投合してビジネスを始めるべくピッツバーグを目指すロードムービー。
日銭を稼いだり無銭乗車したりしながらの二人の生活がなんとも良く、ラストは哀しみが残りつつも、マックスの旅を終えない意志にグッと来る。素晴らしい作品である。
なんだか観ていたくなるコンビのロードムービー、とてもいいわ〜
【U-NEXT】悪魔のいけにえ
1974年のトビー・フーパー監督によるスプラッターホラーの名作。
サリーは兄、友人、恋人含め5名で車で帰郷がてらテキサスへ向かう。道中ヤバヒッチハイカーを拾ってしまい一悶着起こしつつ、その後立ち寄ったスタンドにガソリンがなく、燃料不足を抱えたままに目的地へ到着。近所にあった家にガソリンを分けてもらおうと2名が訪問すると、かのレザーフェイスにものすごい勢いでやられてしまう。そんなわけで、その家はゲキヤバ一家の家であり、次々にメンバーが犠牲になってしまう…という話。
予算の都合による16mmフィルムでの撮影による荒い画質や、不気味なソーヤー一家の家の美術がムードをむんむんに高めまくっていて見応え満点である。また追ってくるチェーンソーの音とサリーの絶叫が凄まじいBGMとなっている。
最初にレザーフェイス登場するところ、まじで呆気にとられる
【U-NEXT】鬼畜
松本清張原作・野村芳太郎監督作品。
ある夏の日に小さな印刷所を営む宗吉(緒形拳)のもとに、愛人菊代と3人の子が押しかけてくる。妻お梅は激怒し、菊代は子を押し付けて一晩のうちに行方をくらます。子どもを引き取ったものの子に対するお梅の鬼のような仕打ちにただうろたえるばかりの宗吉。そして良からぬ想いが二人の仲に立ち込めていく、という恐るべき大人のエゴを描いた作品である。
なんの罪もない無邪気な子どもたちが大人たちの残酷な選択により悲劇に巻き込まれていくさまは戦慄しきりであった。
宗吉に対して「なんでだよ!」とひたすらに思いながら鑑賞…つら
激重〜
【U-NEXT】ライトハウス
先週観て面白かった「ウィッチ」のロバート・エガース監督による2019年の映画。
19世紀のニューイングランドの孤島の灯台守2人が嵐の中取り残され、幻想と狂気が立ち込めていくスリラーである。
映像へのこだわりがものすごい。モノクロでかつ1.19:1という珍しいアスペクト比がなんとも閉塞感を醸し出しイイ感じであり、ビンテージレンズでフィルム撮影されたなんとも美しい質感の映像は白眉。そこに映し出されるのが怒れるデフォーの顔面だったり荒れ狂う海だったり、現実か幻想かわからないあれやこれやだったりするので異様な不気味さに満ちた作品であった。
映像も演技も見応えあり…!
あと音ね。繰り返す霧笛やばすぎ…
【U-NEXT】椿三十郎
黒澤明監督の1962年の時代劇。
9人の若侍が神社の社殿に集まって藩の汚職問題をどうにかすべく色々画策していたところに無賃宿泊で居合わせた男(三船敏郎)が現れる。で、実は今まさに藩の要職の人達にハメられ一網打尽にされかけていたと知る9人なのだが、話を聴いていた男のアドバイスで難を逃れ、その後もなんだかんだとその男(後に「椿三十郎」と名乗る)に助けられつつ彼岸を成就する、というもの。
コミカルな演技もありつつ豪快な殺陣もあったりして、ついつい魅入ってしまう作品である。
敵の見張り役の小林桂樹おもろかった…!あと若侍の一人が田中邦衛氏なのだが、やけに目立っててイイ
【映画館】エマニュエル
オードレイ・ディヴァン監督による、50年前に映画化されている「エマニエル夫人」のリメイク作品。
香港の高級ホテルを査察するべくホテルに滞在する「現代の働く女性」となったエマニュエルが、自らの求める禁断の快楽を探る物語である。冒頭から女性が主体的に快楽を求めていく様が描かれる。
自身が欲望の対象になることなく、欲望が枯渇した男性ケイに惹かれるエマニュエルが最後に主体的に彼を「抱く」べく見出す手法はなかなか特殊で官能的である。
テーマ性や表現が現代的、というか一歩先行くような映画だと感じられた。
あとやたら音がエロかった