【映画館】リアル・ペイン〜心の旅〜
NYに住むユダヤ系移民3世のデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)は、疎遠になっていた従兄弟のベンジー(キーラ・カルキン)とともに祖母の遺言でポーランドのツアーに参加する。性格が正反対な二人はぶつかったり騒動をおこしたりしつつ、ツアー客の面々とともに交流しながら家族のルーツを巡る。旅を通して二人はそれぞれの痛みと向き合っていく、といった話。
主演でもあるジェシー・アイゼンバーグが監督を務めている。
リアル・ペインというのは「厄介者」といった意味合いもあるらしく、魅力的であり危うくもあるベンジーそのもの。そして言葉通りに真の痛みに向き合う映画でもある。ふたりのそれぞれの痛みが彼らの少し下の年代である筆者としてもやはり痛く切なく、そして愛おしさも感じられた。
大変好きになった作品であった。
まじで良かったゾ…!
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キーラ・カルキンがすげ〜
【映画館】小学校〜それは小さな社会〜
日本人らしさを形成する根源は小学校にあり、ということで日英ルーツの監督山崎エマ氏による小学校に密着したドキュメンタリー。
美質と同居する負の側面(=同調圧力、連帯責任など)とのバランスが問われ続ける現場の難しさもうかがえる。そして純粋にハードな仕事である。それでもなお教師として働く人々への尊敬もひとしおである。小学生たちの成長が目に見えるところも多く驚かされる。また小学校という空間に未曾有の懐かしさが去来しつつ、ベタに卒業式で感動したのであった。
短編にまとめられたものがアカデミー賞にノミネートされている。
舞台挨拶も観ることができたのだが、ものすごい勢いで語り倒す山崎監督の話はおもしろく、また小学校に密着するという撮影の凄さもまた大いに感じた。
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【映画館】怪獣ヤロウ!
岐阜県関市を舞台としたご当地映画制作映画。
市役所の観光課のぼんやりした青年山田がご当地映画作りを任じられ、かつての怪獣映画熱を再燃させ奮起するコメディである。ぐんぴぃ氏の顔面と肉体の語る迫力が圧巻。
ぐんぴぃの見応えはなんなのか…存在感がとても良い。
随所で笑えるし終盤はしばらく謎の感動に包まれていた。
【映画館】パピヨン
1973年のリバイバル。破格のスケールの映画であった。殺人の冤罪で投獄された男が協力者を見つけて脱獄に挑み失敗し、また挑む、といった話。不屈の精神を放つ演技、監獄や島の撮影のスケールに圧倒されっぱなしである。
利害の一致で組み始めた男達の関係が真の友情に消化される様にやられた次第である。
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すごかった…
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【Prime Video】ルックバック
藤本タツキ氏原作の漫画を映画化した2024年のヒット作。監督は押山清高氏。
学級新聞の漫画連載をしていた藤野は、ある日不登校の京本の描く絵のクオリティに圧倒され、徹底的に努力をしたのちに挫折する。小学校の卒業式の日に初めて京本の家に訪れたところ、京本は藤野の作品の大ファンだと知り、藤野は再起する。2人は一緒に作品を作り始め賞を受賞し…と言った感じ。
ジャンプコミックスの単行本一冊の内容を58分で映画化している。原作も大いに心揺さぶられたのだが、今作も映像ならではの改変も活きる素晴らしい映像化である。おすすめ。
【U-NEXT】茄子 アンダルシアの夏
2003年のアニメ映画。ルックバックの流れでアニメ映画を鑑賞。
ベルギーの自転車チーム所属の主人公ぺぺは、かつての恋人と兄が結婚するその日に地元スペインの自転車ロードレース『ブエルタ・ア・エスパーニャ』へと出場していた。スポンサー意向による解雇の危機やらまさに結婚する兄たちがいる場所を走ることへの複雑な思いを抱きながらも、自分の仕事に向き合い…という話。
47分と短めだが微妙な人間ドラマがぎゅっと入っており、自転車レースの駆け引きやダイナミックな迫力もあり面白いのである。絵柄が妙にジブリっぽいが制作はマッドハウス。
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監督の高坂希太郎氏がジブリ作品の作画監督などを務めてきた方だからかね
またエンディングは替え歌「自転車ショー歌」と楽しげなので最後まで観たいところ。
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この歌とか、主演が大泉洋なこともあって水曜どうでしょう感がちらほら。監督的にはフジやんやウレシーも出てほしかったけどテレビ局的に無理だったそうな(後のOVA「茄子スーツケースの渡り鳥」では実現!)
【映画館】ザ・ルーム・ネクスト・ドア
ペドロ・アルモドバル監督の作品。
作家のイングリッド(ジュリアン・ムーア)は旧友の戦場記者マーサ(ティルダ・スウィントン)ががんを患ったことを知り彼女に会いに行く。「自分が死ぬその日まで隣の部屋にいてほしい」というマーサからの思わぬ相談があり恐れ戸惑うイングリッドだったが旧友からの願いを受け入れ、借りた森の中の家での彼女との数日間を過ごすことになる、といった話。
森の家では静かに重く、そして確かにすぐそばに「死」というものがあり、なぜか観ていて死を身近に感じる気もした。観たあとはなぜか重い気持ちがあまりなく、むしろどこか軽やか。
ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーアの演技がすばらしかった。
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とても良い作品
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【映画館】雪子 a.k.a.
29歳の小学校教師で初心者ラッパーの雪子は日々不安を拭えずにいる。仕事のこと、自分のこと、彼氏とのこと。趣味のラップをしてるときだけは本当のことを言えている気がしていたのだが、ある日ラップバトルでそれを否定されてしまい…といった話。
日々の不安に足掻きながらも、その不安と、ひいては自分と向き合う映画である。
たどり着いた最終盤のセッションで開放される彼女の心の声には、まさに震えるものがあった。
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振り返って思い出すたびにグッと来るんだが…良すぎた
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