妙に力を感じるイラストを見た。とある本の挿絵である。
それを契機として、そのイラストレーターもとい漫画家児嶋都の漫画を手に取った筆者である。
児嶋氏の描く可憐な少女達の心の揺れにホラー漫画の可能性を見た!
トリ
目次
おとめ地獄を読んだ!
ホラーとギャグは紙一重、というかギャグ漫画である
おとめ地獄は割とギャグに全力で舵を切りがちな作品集である。
ちゃんとホラーをしている短編ももちろんあるのだが、ホラーの手法を使ったギャグがメインと言ってしまいたい。
全くもって笑える。かなりオススメのホラー漫画である。
珍妙な傑作が並ぶ
掲載作品
- 「美里ちゃんの奇病」
- 「いじめ地獄~さいしょのひとり」
- 「お肉地獄~因果ダイエット」
- 「おとな地獄」
- 「ボール怪談」
- 「怪奇!包帯少女」
- 「視えてしまう少女」
- 「あの女は壁の中」
- 「ふたり地獄」
筆者オススメは「美里ちゃんの奇病」、「視えてしまう少女」、「ふたり地獄」の3編である。
美里ちゃんの奇病
散々ホラー的手法で高めに高めた緊張感が、ラストでもったいないくらい緩やかに空気が抜けて行く様は圧巻。そして変な方向から笑いがズルズルと引きづり出される怪作。
視えてしまう少女
実にしょうもない(最高)。かなり間の悪い微妙な異能を持ってしまった少女の苦悩を描いた作品。欲を言えばあともう少しだけ分量が欲しかった次第である。
ふたり地獄については次項にて紹介する。
短編ピックアップ 「ふたり地獄」
友情ドラマ「ふたり地獄」について記す。
あらすじ
ふたりの少女が恋愛にも近い(幻想に満ちた)友情で以て他を寄せ付けないふたりの世界を堪能している。すると
ふたり地獄の魅力
理不尽な状況故に、醜くも見えうる人の素の部分を晒し会うことにな
それによってあっさりとその友情が崩れ去り、そしてその友情が違った形で再構築される瞬間の、
画風についても、レトロで王道なホラータッチの中に未だ色艶を感じさせない少女像
胸熱シーンとセリフ
特に胸を熱くしたのは次のセリフである。
- 「なんでギョーザなんてたべるのよ!」
- 「
うんこが臭いのは当たり前でしょ!」
微妙な切なさと気恥ずかしさ、そしてふたりの内から何かが消える一抹の寂しさを感じたのである。
まとめ
いやはや、それにしてもおとめ地獄、実に面白いものである!