さて、この日(2018/07/27)筆者は社畜にも関わらず仕事を休み、万全の体制を整えて下北沢へと向かっていた。
なぜか?
それは筆者が人間椅子倶楽部会員だからである。
トリ
ということで人間椅子倶楽部(ファンクラブ)限定ライブの様子を紹介させていただきたい。人間椅子倶楽部の活動が気になっている人の参考になれば幸いである。
と同時に筆者の私的な記録も兼ねているため余計な情報も実に多い。ご容赦いただきたい。
ライブレポート 第十四回 人間椅子倶楽部の集い2018
セットリスト
- 辻斬り小唄無宿編
- 月のモナリザ
- マダム・エドワルダ
- Red (King Crimson)
- Yankee Rose(David Lee Roth)
- Square Hammer(Ghost)
- 悪徳の栄え
- あしながぐも
- 野垂れ死に
- 暗い日曜日(ボーカルチェンジ:鈴木ボーカル)
- 爆弾行進曲(ボーカルチェンジ:ナカジマボーカル)
- 地獄(ボーカルチェンジ:和嶋ボーカル)
- 猿の船団
- 楽しい夏休み
- 侵略者
- en.塔の中の男
- en.もっと光を!
下北沢GARDENへ入場する
入場時に「集い」おなじみの抽選券と粗品をもらう。豪華抽選会も行われるのが人間椅子倶楽部の集いなのである。
粗品としては「粗品感溢れるタオル」がもらえる。
物販では人間椅子倶楽部限定Tシャツがあり心揺れたが、筆者はライブで前線に行くことを選択した。
ちなみにこの日筆者は滅多に着ない2年前の人間椅子倶楽部Tシャツを着ていた。筆者が集いへ参加するのは2回目である。
その2回とは、2年前の2016年(第十二回)と今回(第十四回)である。
会員としては割と日が浅いのだ。
数分ののち、会場に鈴木氏が現れる!
お楽しみの開演待機
「集い」では開演前の待機時間にメンバーがDJをするのが恒例である。メンバーのおすすめ曲を聴けるので非常に有意義である。
それがどうやら前回あたりからメンバーのカラオケに変わりつつあるそうなのだが、今回から完全にカラオケタイムと相成った。
ちなみに各人テーマがあり、鈴木氏が「テレビ番組のエンディング」縛り、ノブ氏は「自身の十八番」、和嶋氏は「ジュリー」縛りである。
人間椅子倶楽部の集い!開演前カラオケで熱唱するメンバーをパチリ! pic.twitter.com/hZyYqbSMDw
— バッサン (@isunohito) 2018年7月27日
メンバーそれぞれカラオケしつつ、入って来る会員に対し「いらっしゃいませ」といった応対もあり相変わらず和む。
鈴木氏は「はじめ人間ギャートルズ」や「ルパン三世」の曲などを歌っていた。鈴木氏の声は実に味わい深い。
ノブ氏は選曲に合わせてわざわざジャケット着用であったが、そのジャケットは以前和嶋氏に貸したものである。
参考動画
ノブ氏と和嶋氏はジャケットのサイズは同じとのこと。
ただし現在のノブ氏はボタンが閉まらないのであった。というか布が合わないという領域である。お腹の前で4cmほど離れている。
しかしながら全ての歌をアニキ色に染め上げる力強い歌声である。
メンバーが入れ替わりつつ一人ずつのカラオケであったが、ラストの和嶋氏はのりのりで持ち時間をオーバーしていた。「気持ちいい!」と度々口にするほどである。
このようにメンバーが皆かなり楽しそうなのである。そして観ている観客も楽しい。いいことである。
そしてこのカラオケにより「6割ほど喉を使った」各メンバーであった。メンバーが微妙にこのカラオケを最後まで引きずっていてネタにしていたのもまた和む。
集い、それはレア曲祭り
オープニングSE「此岸御詠歌」が鳴り響く。
いよいよライブ開始である。
レア曲の数々が会員を楽しませる
初っ端に演奏されたのは辻斬り小唄無宿編(「無限の住人」収録)である。小気味良くも目まぐるしいイントロが印象的だ。
この人間椅子倶楽部の集いはレア曲が立て続けに演奏される。
和やかな雰囲気の集いであるが、久しぶりすぎる曲の演奏が続くためメンバーからすればある意味「非常に緊張感のあるライブ」とのことである。
この日特に嬉しく、そしてショックだったのが「マダム・エドワルダ」が演奏されたことである。
筆者の中で最高に好きな曲の1つである。ジョルジュ・バタイユの文学を元にした荘厳で美しい名曲なのだ。冒頭のゴリゴリなベース、ファズのかかったギターの音色や圧倒的様式美のギターソロなど聴きごたえがありすぎる。
何がショックかといえば、この大好きな曲が公式に「レア曲」の仲間入りをしたことである。
ライブでは基本的に鈴木氏と和嶋氏が交互にボーカルをとるのだが、通常ボーカルでない曲では少なからず休まるそうである。そんな中、マダム・エドワルダに関して鈴木氏曰く「全く休まらない」、和嶋氏曰く「山を登るような気持ち」で臨むとのことであった。
なぜ演奏されなくなってきたかというと、つまり疲れるのだ。
和嶋氏は「達成感もある」と前向きコメントもしていたのだが、如何せん望み薄を感じずにはいられない鈴木氏の疲弊っぷりであった。
カバー曲でハードロックの名曲に触れられる
毎回メンバー各々が選曲したカバー曲が演奏されるのも集いならではである。
Red(King Crimson):和嶋選曲
和嶋氏選曲から、まず演奏されたのはキングクリムゾンの名曲Redである。これがもう鳥肌ものにカッコ良いのである! インスト曲なためより一層三人の圧倒的なプレイを堪能できた。
Yankee Rose(David Lee Roth):ナカジマ選曲
ノブ氏選曲はYankee Rose。語りのようなパートを日本語訳してアニキが語るというアレンジが加えられる。これがまたすごく似合うのである! イケイケな曲であった。
Square Hammer(Ghost):鈴木選曲
鈴木氏選曲は鈴木氏が最近好んで聴いているゴーストからSquare Hammerである。初めて聴いたのだがなんとも哀愁ある歌謡曲のような趣のハードロックでこれまたカッコ良い! シンプルなリフがたまらない。
筆者は必死に曲名を記憶し後日収録されたCDを買い求めた次第である。
鈴木氏曰く最近作「PREQUELLE」は「いまいち」とのことであった(ただし世界的にはかなり売れているようである)。
いつもと違う趣のボーカルチェンジ曲
さらに集いのお楽しみといえばボーカルチェンジしての演奏である。
鈴木氏ボーカルの暗い日曜日は狂気を深め、ノブ氏ボーカルの爆弾行進曲はアニキらしさに溢れる。そして和嶋氏ボーカルの地獄は時計パートで叫ぶようなスライドギターとともに自らも絶叫をして会員を楽しませる。スタジオ版のオマージュとのこと(ライブでは“時計”に徹する鈴木氏が叫べないのだ!)
歌うのを前提で曲を作る部分もあるのでは? と思うばかりに、きっとボーカルチェンジしての演奏は難しいはずだと感心する筆者であった。
逆にいつも歌うからこそ気持ちが乗るのに、歌わないから乗らない状態にもなるそうである。
確かに地獄のラストのギターソロ直前の最大級に盛り上がる部分にて、鈴木氏がヘッドバンギングするのが通例である。あれは「思わずそうしている」そうのだが、この日ばかりは歌っていなかったため「ちょっと無理をして頭を振った」とのこと。
こういったMCでいちいち和むのも人間椅子のライブの一つの見所と言える。
ちなみに全くレア曲ではない地獄における和嶋氏のスライドギターの妙義は必見必聴と言える。心底地獄の叫びを感じさせる驚異的な表現力なのである!
更にレア曲を振り返る
さて、レア曲に関していえば「ツアーでもやる」かもしれないあしながぐもはかなり良かったし、やさぐれていた時期の和嶋氏が作った野垂れ死にも退廃的でカッコ良い。
アニキ曲猿の船団もロックンロール全開である。こちらもやはり久しぶりであった。
面白かったのは楽しい夏休みである。
和嶋氏が麦わら帽子とホイッスルを身につけての演奏となった。ホイッスルといえば間奏からソロへ移る直前に鳴り響くこの曲の一つの醍醐味(?)とも言える。
こともあろうに満を持してホイッスルの音が会場をつんざくと思われたその矢先に、和嶋氏がホイッスルを吹き損なってしまうという痛恨のミスをしてしまったのである。
それを見た鈴木氏は「やっちまったな!」という趣の笑みであった。そうして曲が終了。その後泣きのもう一回で間奏からやり直すという珍しい人間椅子を観てしまった会員であった。「いざやり直すとノらないな」とは鈴木氏の談である。
最後に侵略者(インベーダー)で盛大に盛り上げ本編終了。大盛り上がりであった。
アンコール、そして抽選会
アンコールに応えて着替えて戻ってきたメンバーである。
お待ちかねの抽選会が始まる。抽選のプレゼントは以下の通り。
- 人間椅子賞:物販詰め合わせ
「サイズが合わなかったら友達にあげてね!」 とのこと - 鈴木賞:鈴木氏が、ある仕事で描き損ねたという直筆イラスト2点というお宝!
- ノブ賞:過去の衣装(黒地に赤い椿?の和っぽいシャツ)、消耗したシンバル(人間椅子加入当初のもの。今のと比べるとサイズが小ぶりらしい)、サングラス、サイン入りダムカードという豪華詰め合わせ。
当たればアニキになれる! - 和嶋賞:自作エフェクター(トレモロ)、夏休みセット(さっきかぶっていた麦わらとホイッスル)
トレモロは同様の回路のものをのちに作ったとのことで、断腸の思いで放出を決断したそうである。これまたお宝すぎる!
当然筆者などは当たらないわけである。
どれもかなりの魅力的なプレゼントだったことをここに記す。当選者の方々、本当におめでとうございます。
最後の最後にラスト2曲で集いは幕を閉じた。
- 塔の中の男
- もっと光を!
最後までレア曲攻め、これが人間椅子倶楽部の集いである。
もっと光を!は集いではラストによく演奏するようである。
余談だが、筆者が以前参加した2016年の集いでは会員のあまりの盛り上がりを見たメンバーが、最後にわずかに余った時間で「針の山」を演奏してくれるという嬉しすぎるハプニングがあった。
そんなこんなで集いはお開きとなった。実に至福のひと時であったといえる。
人間椅子倶楽部の集いは全くもって最高のファンクラブイベントなのである。
おわりに
なんと充実した有給であろうか! 筆者はごく私的にそんなことを噛み締めながら帰路についた。
あまりの平日の無為さに心底うんざりすることも多々あるのだが、そんなことを束の間忘れさせてくれる人間椅子のライブには感謝しても仕切れない。
次の晩夏のツアーへの希望で、またどうにか生きていきたいと思う次第である。
9月はすでに3回ほどライブに行こうと目論んでいるのであった。
いやはや、それにしても人間椅子倶楽部、面白いものである。
おまけ
ただの一会員である筆者であるが、人間倶楽部の会員になりたい人が現れた時のために入会方法などをまとめている。参照されたし!
ライブ概要
会場一口メモ 下北沢GARDEN
2018年7月までに数回利用した筆者の経験に基づき記す。
ライブハウス自体は見つけやすい
下北沢GARDENは看板も大きく遠目にも見つけやすいライブハウスである。
B2Fにロッカーと入場待機スペースがある。
B1Fが会場となる。更に下のB2Fはロッカーと入場待機用スペースとなっている。
B2Fは夏場結構暑いので待機される際には注意されたし。扇子や水分があると良いかもしれない。
ちなみにロッカーについては、下北沢駅の改札階にあるものが便利。
1ドリンクは600円
ライブハウスでは入場時にドリンク代1杯分支払うのが通例である。計画的に500円玉、100円玉を確保すべし。
終演後のバーカウンターの導線がきつい
ライブが行われるフロアの奥まったところにバーカウンターがある。一番狭くなっているところに、受け取りに行きたい人と受け取って抜け出したい人の往来がごちゃっと出来上がって結構ひどい。終演後に飲みたい派の筆者は難儀した次第である。
ドリンクはリサイクルカップで提供される
飲み物のカップがリサイクルを要するタイプである。数か所の回収場所があり、また今回のライブに関しては出口にカップを回収してくれる人がいた。