平山夢明先生と京極夏彦先生のラジオ番組「東京ガベージコレクション」のかつての放送を無闇に振り返る記事である
通勤中にガベコレをリピート再生して数年が経った。
聴きすぎ
適宜、レギュラー放送以後の特別回などもはさみつつ延々と聴いている。
この魅力は何なのか…
人生で何十周聴いたかは定かではないが、今も謎の魅力から抜け出せずにいる。
そんなわけでガベコレの各回を振り返る記事を残すことにした。
珍な発言、蹴躓くようなレトリック、曲芸のようなお二人のキャッチボールの数々に改めて向き合うのだ。
今回は2010年5月に放送された回である。
【ガベコレ】カラスを語る回を振り返る
オープニング
夢「あ、もう『おはようございます』ですか?」
京「もうあけてますよ」
放映時間の都合で夜だ朝だというやり取りは無駄に恒例となっている。
京極先生の寝る時間が規格外なのでややこしい、といういつものやり取りである。
京「カラスですよカラス、カラスくらいしかいない時間ですよ」
夢「宵っ張りの人間ですら、そろそろ俺は眠らせてもらいますよの時間ですよ。タクシーの運転手、トラックの運転手か、『鳥』ですよ」
京「鳥だね」
夢「文鳥とか?」
京「カラスはいますよ」
夢「夜中でも飛んでるよね?」
京「鳥目のくせにね」
夢「あれなんでなんだろう?」
京「元気なんじゃないですか?」
夢「忌々しいですよ。うるさいでしょ?」
京「うるさい。賢いところがこにくらしいね」
夢「そばで見るとでかい」
京「意外と近くにいない?」
夢「いる。間近で見るとおとなのげんこつくらいあるよ。くちばしのあたり」
京「カラスに襲われたら危険。カラスの好きなシールとか貼って明け方ゴミ捨て場とかに寝てると大変ですよ」
夢「肉とかつけて」
京「鳥葬状態ですよ」
夜なのか朝なのか、の件からなにやら話題の矛先はカラスへと向かってここで音楽がかかるのであった。
『カラス捕ります課』に入った以上は…
京「カラス避けって色々あるけど効かない。カラス捕りのアルバイトっていかがでしょうか」
夢「課があるといいよね」
京「『カラス捕り課』ですか」
夢「『カラス捕ります課』ね。鎖帷子とか着てね」
京「顔は出しておかないと。カラス疑うもの」
夢「顔とか一撃食らったら大変でしょ?」
京「それは仕方がない。『カラス捕ります課』に入った以上は…」
夢「すごいベテランがいて、グッチャグチャの顔だったりしてね」
話題はカラスを捕る謎の組織「カラス捕ります課」へと飛躍するのであった。
カラス対野良犬
夢「公園でカラス対野良犬を見たことがありますよ。犬が勝ってた」
京「あ、犬勝ち」
夢「広場のど真ん中でカラスは泣いてるように血が出てました」
京「血か。それはなかなかツワモノの犬だね」
夢「まわりの子どもたちがひゃーひゃー言ってるんですよ。助けたくてもなかなか側にはいけないの。神々しすぎて」
夢「で、現れたおじさん、すごいなと思ったのは、棒を置いたら、反射的にカラスがクッと掴まったんですよ」
京「カムイか抜け忍なんじゃないですか?助けるというより食べちゃったんじゃないの?」
デルモンテ平山のこの映画見てないけどここがすごい
京「今日の作品は「ゆりこのアロマ」です」
夢「アロマってベタベタして臭いやつでしょ?
夢「男のクッサイ匂いが大好き」
夢「クッサイ匂いだけで丼飯3倍食う女の話です。風呂に入らない人が大金持ちになる話。
夢「『鼻なき子』みたいな。匂いを求めて三千里」
夢「「ペーター」、みたいな。「たった、たった、アロマがたった」みたいな」
夢「僕の知り合いでもね、匂いフェチの彼女がいた子がいたんですよ」
夢「雑魚寝してたら『仲間の匂いのケツのほうが良かった』」
京「『仲間のケツの匂いのほうが良かった』でしょ」
夢「剣道部の篭手の匂いは大変なものがありますよね」
京「加齢臭もOK?」
夢「あ、いいんじゃない?」
京「臭いを発してる人はどしどし劇場へお越しください」
夢「そんな劇場すごいんじゃない?」
TGCテレフォンショッピング 海女さん型ロボット
夢「微妙なときに押すとよく鳴くアマさん型ロボット」
夢「大きさ可変」
京「どうやって可変に?」
夢「祈りだね」
京「お高いんじゃないですか?」
夢「ただだね」
京「送料は?」
夢「もってくよ」
京「社長自らお届け!?」
京「返品OK!?」
夢「特典での、シャドーボクシング」
京「社長自らのシャドーボクシング特典付き、白くて大きい押すとよく鳴くアマさんロボット、ただいまなら送料無料で値段もただ、お申し込みはこちらまで!」
新刊告知 京極先生著「死ねばいいのに」
夢「耳寄りなことを聴いたんですけど。あなた自分の告知とかしないじゃないですか」
京「しないですね」
夢「しましょうよ。タイトルがすごいですね」
京「ひどいですね」
夢「これが本屋とか中釣り広告でズラッと並んでたらすごいですよ」
京「某沿線では拒否されたらしいですよ」
夢「講談社の社屋に垂れ幕がかかったらしいですよ」
京「ひどいですね〜」
夢「タイトルが京極夏彦著「死ねばいいのに」」
京「ひどいね〜」
更にTGCが産んだ作家ペコイチこと宍戸レイ先生の怪談実話傑作選収録作の話も。
おわりに
ということでカラスについて(?)語られた回を振り返ったり、言葉を拾ってみたりした。
他愛もない話に思わせておいて、やたら膨らみ、あっちこっち行った挙げ句になんだか面白いのである。
放送時の台本にカラスについて語るよう書かれていたとは思いづらいわけだが、果たしてどの用に生まれた回だったのか気になるばかりである。
そんな不思議なムードも含めて妙に好きな回だったりする。