このシリーズでは在宅WACK SLAVEな筆者がBiSH、BiS、GANG PARADE、EMPiREを擁する音楽プロダクションWACKの音源を紹介する。
曲はもちろん、背景などにも触れつつ紹介していきたい。
ロックでエモーショナルな曲の数々をひもときつつ、これからWACKの音楽に触れる方の少しの助けになれば幸いである。
WACKの新グループ・CARRY LOOSEが2019年10月22日にデビューアルバム「CARRY LOOSE」をリリースした。
トリ
6月の段階では「カレールーず(仮称)」という名称で発表されていたグループであるが、メンバーが4人となってついに始動である。
そのCARRY LOOSEの1stアルバムだが、これまたWACKの魅力が詰まったアルバムとなっていた。
ということで紹介していきたい。
【WACK】CARRY LOOSE「CARRY LOOSE」【デビューアルバム】
CARRY LOOSEとは?
パン・ルナリーフィ
YUiNA EMPiRE
ウルウ・ル
ユメカ・ナウカナ?
WACK所属のグループ「BiS」の第2期(〜2019/05)に所属していたパン・ルナリーフィとYUiNA EMPiRE、そしてWACKの育成プロジェクトWAggから昇格したウルウ・ル、さらにオーディションにて合格したユメカ・ナウカナ?の4人からなるユニットである。
全体的なコンセプトは“カッコよくてエモい”とのこと。
2019年10月22日にデビューアルバム「CARRY LOOSE」をいよいよリリースした。
本作は、WACKのサウンドプロデュースを担うサウンドチームSCRAMBLES内の豊住サトシ氏、佐藤カズキ氏、井口イチロウ氏からなる音楽制作チーム・T.S.Iがサウンドプロデュースを担当している。
CARRY LOOSEのメンバー
筆者の予習復習も兼ねて書き記しておく次第である。
パン・ルナリーフィ
2017年にオーディション合宿で合格してWACKへ所属し、そして第2期BiSへ加入し、2019年5月までBiSとして活動していた。BiS解散後にWACKに残ったメンバーの一人。
BiSが分裂した際には最後までBiS 1stのままだったメンバーでもある。
彼女の魅力のひとつに歌声があげられる。力強くも、何やら絡みついてくるような湿ったトーンが個性的である。
その声はBiSの頃から存在感を発揮しており、サウンドプロディーサーの松隈氏からの評価も高い。
パンちゃんとてもいい声。
チッチとツキノ、ユカエンパイアそしてプールイ の声は俺の中で5大カウパーボイスと呼ばれていて、とても透明感のあるいい声やと思う。
真似できない。 #peing #質問箱 https://t.co/7J5yVTD0zr— 松隈ケンタ【スクランブルズ】 (@kenta_matsukuma) 2018年6月6日
またWACKにおいてはメンバーも作詞を課されており、その中から採用されることもあるようである。
今作では「ERASE and REWRITE」に詞が採用されており、その中でBiS、そしてCARRY LOOSEへの想いが綴られている。
ちなみにパン氏は週刊FLASH(2019年11月5日)にて水着でのグラビアに初挑戦している。
誌上にて、BiS解散からCARRY LOOSE始動における想いを少なからず語っており、最後に
個人としてはグラビア活動も頑張りたいです
とのコメントを残している模様(期待)。
Kindleがおすすめである!
そういう意味でもおすすめである!
YUiNA EMPiRE
2017年の合宿オーディションに参加して落ちるも、その後にEMPiREオーディションに合格してWACK所属、EMPiREに加入した。
しかしながら2018年のWACK EXHiBiTiONにてBiS 2ndに突如移籍することに。そして解散までBiSとして活動。
そして解散後はパンとともにWACKに残った。
何やらロリィな魅力に満ちた歌声に惹きつけられるものがある。
そして小柄でとてもかわいらしいのである。
作詞について、今作では残念ながら採用されていないため、次回に期待したい。
ウルウ・ル
WACKの養成プロジェクトWAggから2人目の昇格を果たしたのがウルウ・ルである。
筆者はWAggに関してはあまりちゃんとアンテナをはっていなかったためウルウ・ルのWAggでの活動はほぼ知らないのだが、早くも気になっている存在である。
楽曲において、非常に落ち着いたトーンの歌声がウルウ・ルである。
低めの響きの声が何やら染み込んでくるようでクセになる。とにかく今後も注視したい。
そして作詞について。
各グループにおいて作詞にて存在感を発揮しているメンバーがいるのがWACKのグループである。
CARRY LOOSEにおいては彼女がそう言った立ち位置になるかもという予感がすごい。
今回、初の作詞ですでに3曲も採用されているのだ。
ウルウ・ルが作詞した収録曲
- やさしい世界
- WEATHERCOCK
- pretender
インタビューなどで国語が好きだったと述べているが、にしてもなかなかのものである。
そう言った力もまた昇格を果たした一因なのかもしれない。
メンバーの中では長身であり、ビジュアル的にもいい感じのバランスである。
ユメカ・ナウカナ?
CARRY LOOSEオーディションにて合格した新キャラ。
元々アイドルとして活動していた経歴がある模様。
明るいキャラクターのようであり、いくつかの動画の中でもその様子が汲み取れるほどである。
非常にくっきりとした輪郭を持った伸びやかな歌声が魅力的である。
また作詞もいきなり2曲採用されている。
ユメカ・ナウカナ?が作詞した収録曲
- ツメも君も
- たんたかたんたんたん
インタビューにおいてはなにやら独特なエピソードを語っており、そのエピソードを裏のテーマに据えているようである。
微妙に上記の2曲が2部構成(たんたかたんたんたん→ツメも君も)だとか。
アルバムリリースコメントの動画
動画をみるとなんとなくキャラクターがわかる気がするので貼っておく次第である。
この記事の下の方にある「併せて読みたいインタビュー記事」にリンクを貼っているSKREAM!による動画である。
アルバム「CARRY LOOSE」の収録曲
- やさしい世界
作詞:ウルウ・ル/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES - CARRY LOOSE
作詞:JxSxK/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES - 戻らないように
作詞:JxSxK/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES - ANYBODY
作詞:豊住サトシ×JxSxK/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES - CHEER SONG
作詞:JxSxK/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES - WEATHERCOCK
作詞:ウルウ・ル/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES - RAKUEN
作詞:JxSxK/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES - ツメも君も
作詞:ユメカ・ナウカナ?/作曲:佐藤カズキ/編曲:SCRAMBLES - ERASE and REWRITE
作詞:パン・ルナリーフィ/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES - When we wish upon a star
作詞:JxSxK/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES - たんたかたんたんたん
作詞:ユメカ・ナウカナ?/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES - pretender
作詞:ウルウ・ル/ 作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES - Deep thorns
作詞:竜宮寺育/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES
バラエティに富んだ収録曲なわけだが、ここでフィーリング重視の曲紹介をさせていただく。
やさしい世界
作詞:ウルウ・ル/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES
最初に公開された曲にしてウルウ・ル作詞曲。
キャリルー@carry_looseいい曲なんだよなぁ。
今回一曲目に出す曲の作詞をウルウ・ルに取られたのが悔しさです。みんな聞いてくれよん。https://t.co/sdT5Uj7miD— 渡辺”ジュンウンコジュン”ウンコ之介 (@JxSxK) September 19, 2019
いや、曲もいいのである。
ギターとベース、ドラムというシンプルなバンド編成のサウンドで、なんとも染み渡るような音を奏でる。
そこに乗るウルウ・ルの詞は、字面だけみるとともすれば退廃的にも聴こえる。しかしなぜか、どうしようもなく優しく響くのだ。
BiSHにおけるスパークのような立ち位置の曲ではなかろうか。
CARRY LOOSEの重要曲になる予感。
CARRY LOOSE
作詞:JxSxK/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES
先駆けてMVが公開されていたリード曲。
JxSxKこと渡辺氏が作詞したグループ名の表題曲である。
静かに始まるが次第にテンションが上がりサビはかなりエモーショナルな展開になっている。
悩みながらも前に進もうという意志を翳す詞は、ともすればメンバーに向けられた詞にも感じられる。
戻らないように
作詞:JxSxK/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES
音的にはGANG PARADE的な方向性のエレクトロニックな一曲。
こちらも渡辺氏作詞になっている。
本当の理想に向かえない弱さに揺らぐ自分と闘うかのような、筆者のような弱い人間にはなかなかに刺さる詞である。
ANYBODY
作詞:豊住サトシ×JxSxK/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES
パン氏の力強いボーカルで幕開ける、印象的な一曲。
作曲担当の豊住氏と渡辺氏の共作による作詞になっている。
今の自分に向き合え、というメッセージもまたメンバーにも向けられたものなのだろうか。
CHEER SONG
作詞:JxSxK/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES
音の感じからも伝わるほどのストレートな応援ソング。
観客からは合唱が起きるかもしれない。
インタビューによると、一体感を感じさせる振り付けになっているという。
WEATHERCOCK
作詞:ウルウ・ル/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES
感傷的なバンドサウンドが素晴らしいウルウ・ル作詞曲。
出だしからウルウ・ル氏が歌っている。
「息の量が多い声を出して」「息の量を全開にしてしまっていいよ」
と言った指示のもと歌唱したそうである。
RAKUEN
作詞:JxSxK/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES
とてもポジティブな曲調と詞な一曲。
伸びやかなユメカ氏の歌声が堪能できるかもしれない。
ツメも君も
作詞:ユメカ・ナウカナ?/作曲:佐藤カズキ/編曲:SCRAMBLES
少し不思議なフレーズが印象的である。
作詞はユメカ氏。
実はこの後出てくる不思議曲「たんたかたんたんたん」との連作(?)になっているという。
そんな背景を知らないとしても、良い曲なのである。
ERASE and REWRITE
作詞:パン・ルナリーフィ/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES
パン氏作詞の一曲。
CARRY LOOSE始動準備期間にBiSでの解散について考える機会があったのだという。
詳しくはナタリーのインタビューをチェックすべきだろう。
参考
CARRY LOOSE「CARRY LOOSE」インタビュー音楽ナタリー
そんな想いを晒した詞ということになるだろう。
When we wish upon a star
作詞:JxSxK/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES
「これぞWACK!」と言ったエモーショナルな1曲。
ピアノとストリングを取り入れた疾走するロックチューンである。
これまた今のメンバー、特にパン・YUiNAの2名は気持ちがこもるであろう詞になっている。
担当パートも意識して聞いてみたいところ。
たんたかたんたんたん
作詞:ユメカ・ナウカナ?/作曲:豊住サトシ/編曲:SCRAMBLES
フワフワした浮遊感とオリエンタルなフレーズが不思議曲っぽさを演出する珍曲。
ユメカ氏の超常現象を元にしている。
しかしながらこの曲調にはなんともあっている。気がする。
妙にくせになる一曲である。
pretender
作詞:ウルウ・ル/ 作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES
軽快なビートに乗るのはこれまたウルウ・ルの詞である。
WAgg加入当初泣いてばかりいた自身の思い出に寄り添いつつ泣いてもいいんだ、しかしそれで終っちゃダメだ、と言った思いを込めている。
Deep thorns
作詞:竜宮寺育/作曲:井口イチロウ/編曲:SCRAMBLES
WACK楽曲へ尖った詞を提供している竜宮寺育氏の作詞曲がラストを飾る。
カッコ良い。
そして晩夏の寂寥をねっとりと纏ったかのような薄暗い不安感が心を揺さぶる。
あと、なんとなくトトロっぽい情景が浮かぶ。
アルバム「CARRY LOOSE」と合わせて読みたいインタビュー
それぞれのインタビューを通して読むことで、各メンバーの活動への想いが読み解ける(かもしれない)し、ユメカ氏のUFO情報も次第に明らかになる(かも)。
OKMusic
2019年10月20日 10:00掲載。
参考
【CARRY LOOSE インタビュー】4人の個性と魅力がカラフルに炸裂。聴きどころ満載のデビューアルバムが完成!OKMUSiC
アルバム収録曲がバンドサウンドゆえに、「いつかバンド形態でのライブをやりたい」というくだりにて、執拗にYUiNAにカスタネットをやらせようとするパンが面白い。
それはともかくとして、各メンバー作詞の詞についての話は要チェックである。
いきなりウルウ・ルの詞に込めた想いに触れ「やりおる!」とにわかにうろたえる筆者である。
ちなみにここでユメカ氏が見たUFOの形状と個数が明らかになる。
ついでにウルウ・ル氏もUFOを見たことがあることが明かされる。
音楽ナタリー
2019年10月21日 22:00掲載。
参考
CARRY LOOSE「CARRY LOOSE」インタビュー音楽ナタリー
毎度写真も多く、内容もぎっしりな音楽ナタリーのPower Pushな「特集・インタビュー」におけるインタビューである。
これを通して読めばとりあえずCARRY LOOSEの現状がわかる内容になっている。
CARRY LOOSEの今後を見届ける上では是非抑えておきたいインタビューだろう。
SKREAM!
2019年10月22日掲載。
参考
みんなが笑顔で肩を組んでいて、『幸せ』みたいな感じです、CARRY LOOSEはSKREAM!
インタビューが10月8日ということでBiSとの合同インストアイベントに関しての話もある。
また作詞に早くも定評のあるウルウ・ル氏の言葉のインプットのエピソードもなかなか興味深い。
また11月4日に控えたワンマンライブへの思いも語られている。
おわりに
ということでWACKの新星・CARRY LOOSEのファーストアルバム「CARRY LOOSE」の紹介であった。
グループの方向性を探るようなバラエティに富んだ楽曲と、その中で4人のキャラの立った声が堪能できる。
4人が今後どのようなパフォーマンスを魅せてくれるのか、在宅WACK SLAVEな筆者も応援していきたい所存である。
いやはや、それにしてもWACK、目が離せない。