このシリーズではBiSH、BiS、GANG PARADE、EMPiREを擁する音楽プロダクションWACKの音源を紹介する。
曲はもちろん、背景などにも触れつつ紹介していきたい。
ロックでエモーショナルな曲の数々をひもときつつ、これからWACKの音楽に触れる方の少しの助けになれば幸いである。
トリ
【WACKを聴くべし】EMPiRE「THE EMPiRE STRiKES START!!」帝国の狼煙上がる1stアルバム!
EMPiRE「THE EMPiRE STRiKES START!!」収録曲
2018年4月11日発売
- FOR EXAMPLE??
- Buttocks beat! beat!
- Black to the dreamlight
- MAD LOVE
- Don’t tell me why
- TOKYO MOONLiGHT
- EMPiRE is COMiNG
- デッドバディ
- LiTTLE BOY
- コノ世界ノ片隅デ
- アカルイミライ
WACK第4のグループEMPiREの曲の特徴
WACKとavexの共同のプロジェクトにより発足したのがWACK第4のグループEMPiREである。
EMPiREの楽曲は他のWACKのグループとは毛色が異なる。
BiSH、BiSのようなバンドサウンド主体ではないため、WACKらしいゴリゴリなギターもほとんどない。
GANG PARADEよりも更にエレクトロに寄せた、よりスタイリッシュなものになっている。
最近の作品では「帝国」、「女帝」といったキーワードを連想させる荘厳さを纏った楽曲も出てきており更に面白くなってきている。
発足当初はジェダイ的なニュアンスも垣間見られたものである。
と言うことで2018に発表されたEMPiREの1stアルバム「THE EMPiRE STRiKES START!!」を紹介したい。
「THE EMPiRE STRiKES START!!」発表時のメンバー
以下の5人である。
YUKA EMPiRE
YU-Ki EMPiRE
YUiNA EMPiRE
MAYU EMPiRE
MiDORiKO EMPiRE
いつもよりキレイな子達が集まった、などと言われることもあるEMPiREである。
確かに他のWACKグループにはいなそうな雰囲気もあるような気がしなくもない。
ちなみに始動直後、社長の渡辺氏やavexの方へのインタビューなんかでも、「スクールカーストの上の方」といった表現がなされたりするほどであった。
しかしやはり、ふたを開ければWACK的な魅力に溢れていた。
ストーリーを持った女の子達がアイドルとして高みに臨む姿に心揺さぶられるのである。
各メンバーについて簡単に触れたい。
YUKA EMPiREとYU-Ki EMPiREは先駆けてEMPiRE加入が決まっていたメンバーである。二人ともそれまでのWACKにない透明感を持った存在感がある。
MAYU EMPiREは歌声が魅力的である。筆者としては彼女の作詞にも注目している。
YUiNA EMPiREは小柄な体躯にキュートな歌声、ふわっとした雰囲気が良い。
MAYUとYUiNAは、YUKA、YU-Kiと同じオーディションを受けて一度落ちている。
MiDORiKO EMPiREは最年少のメンバーである。キリッとした顔立ちや立ち姿が何やらカッコ良い。ライブでの堂に入ったシャウトがかなりの迫力でビビった筆者である。
さて、このときのメンバーがEMPiREのオリジナルメンバーとなるわけだが、YUiNA EMPiREは直後にBiSへ完全移籍することになる。
むしろメジャーデビューとなるアルバム発売日の4/11を迎える前にすでに移籍が発表されていた。
社長の渡辺氏のインタビューでの発言によると、YUiNAは人間味のあるキャラクターを持っていたため、BiSにいるべきだとの判断があったようである。
参考
終わりの先へ向かうBiSHの現在とWACKグループの次なる展開を、プロデューサーの渡辺淳之介が語りまくるMiKiKi
EMPiREの魅力 メジャーデビューからスタートしたWACKらしからぬWACKのグループ
冒頭に記したとおりEMPiREはWACKとavexの共同のプロジェクトにより発足した。
泥の中から生まれるのがWACKの魅力であり、それまでのどのグループも泥の中で強くなって来たと感じずにはいられない。
対してEMPiREはいきなりのメジャーデビューとなった。WACKの中では異端のスタートと言える。
「帝国を築く」というコンセプト(?)も相まってかメンバー達は常にその高いハードルと戦ってきたように見えた。
そして初のワンマンライブでYUiNAの脱退と新メンバー加入が同時に押し寄せ、5人のラストライブと6人の新体制ライブを同日に連続してこなしてきた。
そんな状況にグループ一丸となりひとつひとつ考えて挑んでゆく姿が印象的なグループである。裏での計り知れない努力も感じさせる。
インタビューなどからもそんな様子が伝わるグループであり、その姿が筆者としてはとても魅力的に映っている。
「THE EMPiRE STRiKES START!!」のおすすめ曲
- Buttocks beat! beat!
- MAD LOVE
- デッドバディ
- アカルイミライ
Buttocks beat! beat!
EMPiRE一激しい曲である。ライブで連打されることもある。
他のWACKグループが好きなら一番入りやすい曲だろう。
「お尻ぺんぺん!」がなかなか癖になる。
なんか知らんがお尻にお尻を叩かれるMVもインパクト絶大。
Black to the dreamlight
アニメ『ブラッククローバー』のEDテーマになった曲。
渡辺氏がアニメの世界観とEMPiREの未来を重ねて作詞した。
静かな始まりだが感情が溢れるようなサビがとても良し。
衝撃的なMVも必見である。
地上波ではオンエアNGになっているそうな。
MAD LOVE
四つ打ちに動くベース、エモーショナルなサビがスピード感を伴って流れ去っていく。
YUiNAとの別れとMAHO、MiKiNA加入のドキュメンタリーのような構成のMVが非常に感動的である。
デッドバディ
何やら芝居掛かった語りで始まる曲である。
詞のニュアンスにもこだわりが感じられ、四字熟語に体言止めとフックがある。
女帝感の醸成に向けて動き出したのか、と言った趣。
荘厳な雰囲気が出て来ており、この路線の音は筆者としても今後期待したいところである。
【『THE EMPiRE STRiKES START!!』視聴動画】
デッドバディ / EMPiRE#もちろん赤字だしもはやWACKのお家芸だけど本当に聞かせたいし自信あるから絶対DLして一位とらして下さい本当にお願いします pic.twitter.com/fULG8Lqmiv
— EMPiRE OFFiCiAL (@EMPiREIDOL) 2018年3月31日
アカルイミライ
EMPiREの始まりの曲である。
EMPiREの音の路線を差し示すものになっている。
壮大さと言うか、未来への広がりを感じさせる。
ちなみにBiSHのアイナ・ジ・エンドが振り付けをしている。
「THE EMPiRE STRiKES START!!」と併せて読みたいインタビュー
参考
EMPiRE(エンパイア)『THE EMPiRE STRiKES START!!』インタビューbillboard JAPAN
デビュー&5人体制ラストインタビューである。
参考
何も持ってなかった子たちが偶然や努力が重なって何者かになっていく…『THE EMPiRE STRiKES START!!』EMPiRE×渡辺淳之介 対談インタビューmu-moステーション
渡辺氏を交えたインタビューである。
おわりに
と言うことでEMPiREの1stアルバム「THE EMPiRE STRiKES START!!」の紹介であった。
曲の雰囲気は他と一線を画すのだが、EMPiREもまた確実にWACKのグループである。
他のWACKグループが好きな方も、最近EMPiREに興味を持った方も、是非聴いていただきたい。
ちなみに新メンバー加入後に出たミニアルバムに、「THE EMPiRE STRiKES START!!」と同じ曲構成で再録された音源がついているものがあるのでそちらも要チェックと言える。
いやはや、それにしてもEMPiRE、面白いものである。