このシリーズではBiSH、BiS、GANG PARADE、EMPiRE、CARRY LOOSE、豆柴の大群を擁する音楽プロダクションWACKの音源を紹介する。
曲はもちろん、背景などにも触れつつ紹介していきたい。
ロックでエモーショナルな曲の数々をひもときつつ、これからWACKの音楽に触れる方の少しの助けになれば幸いである。
トリ
さて、WACKのGANG PARADEから2020年の2月20日にハルナ・バッ・チーン脱退という急な知らせに戸惑いを隠せなかった筆者である。
そしてすでに決まっているGANG PARADEの始祖・カミヤ氏の脱退も控えている。
そんな背景も含めて今後の動向から目が離せないギャンパレである。
ということで今回は(リリースからだいぶたってしまったわけだが)GANG PARADEのメジャー移行後初のアルバム「LOVE PARADE」を紹介したい。
GANG PARADE「LOVE PARADE」を聴くべし
ストレートなテーマをぶっ放すメジャー1発目のアルバム
なぜ紹介が遅れたのかといえば、一度聴いたときにピンとこなかったからと言える。
(それ以前に購入が遅れたというのもある…)
そのためしばらく放置してしまったのだ。
しかしながらインタビューなどを紐解きながらじっくり聴いてみたところこれがなにやらとても良いことに気づく。
前作が大変好きな筆者なわけだが、その前作はフックに富みまくった曲の集まりが「ギャンパレらしい!」などと思っていたわけである。
それに対して今作は真っ直ぐな曲が多め。というか飛び道具感のある曲が控えめである。
それはなぜかというと、WACKらしからぬテーマを壮大に掲げたから、というのがひとつの答えな気がする。
そのテーマと言えばずばり「愛」。
5作連続CDリリースがオリコンデイリー1位、最新シングル「ブランニューパレード」がLINE MUSICデイリー1位を記録!!
今最も勢いに乗る「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する10人組アイドルグループ「GANG PARADE」の最新系を詰め込んだ、新メンバーのナルハワールド加入後、待望の新体制初のメジャー1stフルAL。
参考
GANG PARADE「LOVE PARADE」WARNER MUSIC JAPAN
ちなみにギャンパレが出演していた舞台の脚本家である根本宗子氏が作詞に参加していたりもする。
LOVE PARADE収録曲
- らびゅ(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)(日本テレビ系「バズリズム02」10月エンディングテーマ)
- ブランニューパレード(AL ver.)(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
- Wake up Beat!(作詞:根本宗子 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES Rap詞:ヤママチミキ)
- ALONE(作詞:ユメノユア 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
- Youthful Hero(作詞:テラシマユウカ 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
- Ready Go!(作詞:ユメノユア 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
- FAKE and FANTASY(作詞:momen 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
- POISON(作詞:ココ・パーティン・ココ 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
- Plastic Smile(作詞:SHiLL 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
- Wonderful World(作詞:ナルハワールド 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
- LOVE COMMUNICATION(作詞:松隈ケンタ×ヨウタ颶風(ハリケーン) 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
LOVE PARADE 楽曲紹介
らびゅ
一曲目はなにやら壮大にアルバムのテーマを感じさせるリード曲となっている。
冒頭の「さぁ今だ! 僕たちの番がきた」という詞は、作詞に名を連ねる松隈氏曰くそう言い張っている人の言葉だという。弱さを隠す人の言葉なのだ、と。
そんな切り口で歌詞を紐解いたカミヤ氏によれば、愛は、=優しさ、とだけ表現できるほど単純ではないと言う。そしてその想いは振り付けの中でも表現されているのである。
アーティスティックなMVも要チェックと言える。
ブランニューパレード (AL ver.)
陽気な掛け声が印象的な一曲。
その歌詞の内容はギャンパレの進んできた道やこれから進む道を垣間見せる気もするのが実に良い。
メジャー・デビュー記念の大作MVも要チェック。
それぞれ個性的なツノをはやしたメンバーが見どころ。
MVが公開されたのが2019年の3月31日となっている。
Wake up Beat!
ギャンパレが一時期出演していた舞台の脚本家根本氏による歌詞の一曲。
小気味よいサビとキャッチーでどこかコミカルな歌詞が面白い。
ALONE
ユメノ氏作詞曲。
図らずもアルバムテーマにある種合致したそうな。
というのもアルバムテーマは楽曲がほぼ完成したところで決まったものだったためである。
ユメノ氏の中の葛藤が表現されているようでもある。
Youthful Hero
ユユ氏作詞曲。
バンドサウンドなバッキングに、これまたリアルを感じさせるストレートなユユの歌詞が乗る。
ナルハ作詞のWonderful Worldに感化されたという歌詞は確かにいつもユユの書く詞とすこし趣を異にしている。
当初抱いていた自らの悩みなども赤裸々に語られる歌詞である。
Ready Go!
ユメノ氏作詞曲。
イントロから割と面食らう、なにやらメタリックでハードな楽曲である。
リフ主体の音程に動きのない抑圧されたようなメロから絞り出す叫び、そしてそこからの開放感あるサビという流れは実に爽快である。
また詞に関して、言葉遊び的なニュアンスが多分にあるため、是非歌詞カードで楽しんでもらいたちという想いも込められている。
FAKE and FANTASY
なにやら妖しい雰囲気漂う一曲。
展開してテンポアップし、そこから徐々に激しさを増してエモーショナルな趣が出始めるのが面白い。
前作にたくさんあった飛び道具的な楽曲は今回かなり控えめな中、メンバーの中でも評判の変な曲に従っている。
POISON
ココ氏作詞の曲。
ギャンパレ内でも特にポジティブなキャラクターが魅力なココだが、どうやらもやもやとした気持ちになってしまった際に思いの丈を歌詞にぶつけた模様。
Plastic Smile
脱退してしまったハルナのソロダンスパートがあったという曲。
カミヤ氏がハルナをイメージして振りをつけたという。
インタビューによると「わかってもらえない」というところがハルナらしいとのことであった。
Wonderful World
ナルハ氏作詞の曲。
実に純粋に夢へ向かう想いに詰まった詞は、眩しすぎる。
ナルハワールドの魅力を垣間見た気がした。
曲の入りもこれまた印象的なユニゾンのコーラスで更に眩しい。
アルバム内でも特にイチオシ曲と言える。
LOVE COMMUNICATION
ラストはなにやらイケイケな曲。
ということで見所多そうなMVも要チェックと言える。
陽気でどこかおバカな趣もあるのだが、夏特有の切なさすら漂う謎の感動も併せ持つ不思議な魅力に満ちた一曲。
合わせて読みたいインタビュー
参考
GANG PARADE「LOVE PARADE」インタビュー音楽ナタリー
参考
【GANG PARADE インタビュー】10人体制で初めて作り上げたド直球のメジャー1stアルバム!OKMUSIC
参考
GANG PARADEからカミヤサキが脱退、最終ステージは中野サンプラザStoryWriter
おわりに
ということでGANG PARADEメジャー初のアルバム「LOVE PARADE」を紹介した次第である。
変化が決定づいた中で彼女たちがどのような飛躍を見せてくれるのか、今後も刮目すべし。
いやはや、それにしてもGANG PARADE、面白いものである。